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第7回 メリットの多いセルフメディケーションのすすめ

「セルフメディケーション」という言葉、皆さんも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。セルフメディケーションとは、「自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てすること」と世界保健機関(WHO)は定義しています。

具体的には、日頃から自分の健康状態と生活習慣をチェックし、ちょっとした体調不良の際に、市販薬などを上手に使って自分自身で健康の維持や病気の予防・治療にあたることです。このセルフメディケーションの考え方は、日本人の高齢化や生活習慣病の増加、それらに伴う国民医療費の増大という背景もあり、だんだんと広まってきました。

セルフメディケーションのメリット

セルフメディケーションに取り組むためには、自分の健康は自分で守ることを意識し、積極的に健康管理にかかわることが大切です。まずは、普段から適度な運動と栄養バランスのよい食事、十分な睡眠時間を確保し、カラダに備わっている自然治癒力を高めておきましょう。そして自分のカラダの状態を知っておくためには、健康診断を必ず受け、結果を把握しておきましょう。家庭でも、体重や体脂肪、血圧などを確認し、その推移を記録しておくと、健康状態の把握に役立ち、健康管理へのモチベーションも上がります。最近では健康管理アプリなどもありますので、活用するとよいかもしれません。

しかし、健康に気をつけていても軽いケガや風邪などの体調不良を起こすこともあります。そんなときは、薬局・薬店・ドラッグストアなどで市販されている医薬品(OTC医薬品)を上手に利用し、自分で手当てするセルフメディケーションが役立ちます。病気や薬についての情報は、インターネットサイトなどからも得ることができますが、わからないことは自己判断せずに、薬局の薬剤師さんなどの専門家に相談したり、質問したりすることをお勧めします。自分の体質や状態、症状に合ったお薬を適切に使用するために、かかりつけの薬局や薬剤師さんを決めておくと、より適切なアドバイスが受けられます。また、お医者さんから処方されるお薬との重複作用による悪影響や、飲み合わせによる副作用なども防ぐことができます。自分の飲んでいるお薬を正確に知るために、「お薬手帳」を活用しましょう。お薬手帳で薬歴を一元管理することで、お医者さんや薬剤師さんにお薬の情報を伝えるときにも役立ちます。

かかりつけ薬局と薬剤師

セルフメディケーションを国民一人ひとりが実施すると医療費の抑制効果が大きいことから、政府もさまざまな施策でセルフメディケーションを推進しています。セルフメディケーションによるその効果額は、3,000億円以上にものぼると言われており、とくに下図のように国民医療費の約3割を占める生活習慣病の予防につながることが期待されています。

国民医療費(医科)に占める生活習慣病の割合

2017年から、スイッチOTC医薬品(要指導医薬品及び一般用医薬品のうち、医療用から転用された医薬品)を購入した際に、その購入費用について所得控除を受けることができるセルフメディケーション税制(医療費控除の特例)が導入されました(2024年末現在、セルフメディケーション税制は2026年末までの制度とされています)。2022年からは対象がスイッチOTC以外の医薬品にも拡充されています。所得控除による医療費の節約という金銭面でのメリットも期待できますので、皆さんもぜひセルフメディケーションをはじめてみましょう!

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