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2023年10月上旬号
全国総合健保組合協議会の高井昌史会長は、9月25日の総会で冒頭あいさつした。政府が年末までに検討する少子化対策の具体的な財源について、出産育児一時金や出産手当金など、健保組合が加入者の出産育児支援策を実施しているという実態との整合を見据えた議論を期待した。
厚労省が10月以降のコロナ対応
診療報酬上の特例措置を縮小
治療薬の公費支援 継続も一定の自己負担
厚生労働省は9月15日、「新型コロナウイルス感染症に関する10月以降の見直し等について」を公表した。通常医療との両立をさらに強化し、重点的・集中的な支援により冬の感染拡大に対応しつつ、通常の医療提供体制へ段階的な移行を図る。診療報酬上の特例措置は、5月8日以降の医療現場の実態を踏まえつつ、現行の評価を継続したうえで減点。さらに、令和6年度の診療報酬と介護報酬の同時改定で恒常的な感染症に対応するため...
中医協がコロナ特例報酬を承認
10月1日から継続も点数縮小
6年度改定 恒常的な感染症対応へ
中央社会保険医療協議会(小塩隆士会長)は9月15日、持ち回りで総会を開催し、「新型コロナウイルス感染症の診療報酬上の取り扱い」を承認した。「新型コロナウイルス感染症の診療報酬上の取り扱い」は、令和5年5月8日以降に感染症法上の類型が5類へ変更された後の新型コロナ診療の実態等を踏まえ、10月1日以降、診療報酬上の特例措置を縮小する。さらに、6年度診療報酬改定で恒常的な感染症対応として見直しを行うこととし...
財政審が6年度予算編成へ議論
建議へ社会保障など重点課題
現役世代 保険料負担上昇に歯止め
財務省の財政制度等審議会財政制度分科会(十倉雅和分科会長)は9月27日、令和6年度予算編成と今後の財政運営への考えを提言する「建議」の取りまとめに向けて、財政総論をテーマに議論した。今後、6年度予算編成への反映を視野に、11月を目途に取りまとめる「建議」を見据え、社会保障などを中心に各論の議論を進めていく。この日の会合では、財政総論として、財務省から社会保障など6年度予算編成に向けた重点分野につい...
10月中に「経済対策」取りまとめ
岸田首相 10月から「年収の壁」支援策
岸田文雄首相は9月25日、記者会見し、10月中を目途に「経済対策」を取りまとめ、その後速やかに補正予算の編成に着手する方針を表明した。「経済対策」は、▽物価高に苦しむ国民に対し、成長の成果を適切に還元する▽コストカット型の経済から30年ぶりに歴史的転換を図る─ことを目的とし、①足元の急激な物価高から国民生活を守るための対策②地方、中堅・中小企業を含めた持続的な賃上げ、所得向上と地方の成長の実現③成...
静岡連合会が静岡市で時局講演会
自民党細野氏 健保組合、健保連の声を反映
健保連静岡連合会(杉山直会長)と健保連本部は9月26日、静岡県静岡市で時局講演会を共催した。健保組合関係者45人が集まった。講演会には、自民党の細野豪志衆院議員が出席し、いわゆる「年収の壁」や「マイナンバーカードと健康保険証の一体化」、「少子化対策の財源」など、健保組合を取り巻く課題を説明したうえで、健保組合、健保連の声を政治の場に反映できるよう努力していく意向を表明した。細野氏は、9月25日の記...
山形連合会が山形市で時局講演会
芳賀氏 制度改革への姿勢明らかに
健保連山形連合会(会長・藤山豊山形銀行健保組合理事長)は9月19日、山形県山形市において健保連本部との共催で、参院厚生労働委員会委員の芳賀道也参議院議員を招き時局講演会を開催した。このなかで芳賀氏は、健保組合の経常支出のうち高齢者医療に対する拠出金への負担が半分近くになっていることを問題視し、こうした現状について健保組合は声をあげて訴えなくてはいけないと述べ、共に制度改革に取り組む姿勢を明らかにし...
総合健保の令和4年度決算
全体の43%超 105組合が依然赤字
医療費増が財政運営に影響
全国総合健保組合協議会(会長・高井昌史出版健保組合理事長)は、会員242組合の令和4年度決算概要をまとめ、9月25日の定例総会に報告した。4年度の経常収支差引額は420億円の黒字を計上。高齢者医療関係拠出金がコロナ禍の特異な前々年度精算減を反映して前年度比781億円減少する一方、医療費が同1002億円増加し、黒字幅を大きく圧縮させる結果となった。前年度の324億円の赤字から黒字に転じたが、全体の4...
制度の安定性・持続可能性へ
介護分科会 多床室の室料負担など議論
社会保障審議会介護給付費分科会(分科会長・田辺国昭国立社会保障・人口問題研究所所長)は9月15日、令和6年度の次期介護報酬改定に向け、制度の安定性・持続可能性の確保をテーマに介護老人保健施設および介護医療院の多床室の室料に対する利用者負担の導入などを議論した。この日の会合で厚生労働省は、介護老人保健施設および介護医療院の多床室への室料負担の導入は、4年12月の介護保険部会の取りまとめで、「同分科会...
年金部会が「年収の壁」を議論
厚労省 手取り収入減少の対応策
社会保障審議会年金部会(菊池馨実部会長)は9月21日、令和7年の次期制度改正に向けて、「第3号被保険者制度」と「女性の就労の制約と指摘される制度等(いわゆる「年収の壁」等)」をテーマに議論を行った。厚生労働省はこの日の会合で、第3号被保険者が働き収入が増加した場合、特定の要件を満たすことにより社会保険料が発生し手取り収入が減少するいわゆる「年収の壁」について、「106万円の壁」と「130万円の壁」...
協会けんぽの5年収支見通し
保険料率10%維持 7年度に赤字へ転落
6年度平均料率は年末に決定
全国健康保険協会(安藤伸樹理事長)は9月20日、令和6年度から10年度まで5年間の協会けんぽ・収支見通しを運営委員会(委員長・田中滋埼玉県立大学理事長)に提示した。平均保険料率を現行の10%に据え置いたうえで、賃金上昇率を過去10年平均値(0.7%)とした場合、単年度収支は7年度に赤字へ転落すると見込んだ。同委員会は年末に向けて、6年度およびそれ以降の保険料率のあるべき水準について議論を進めていく...