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2020年12月中旬号
医療保険部会は2日、次期制度改革に関する「議論の整理」の取りまとめに向けて討議した。健保連の佐野副会長は、傷病手当金の資格喪失後の継続給付や任意継続被保険者制度のあり方について、根本的な解決が図られていないとし、引き続きの検討課題に位置づけるよう要請した。
平成30年度国民医療費
43.4兆円、マイナス改定で0.8%増
1人当たりは34万3200円
厚生労働省は11月30日、平成30年度の国民医療費が前年度に比べ0.8%増の43兆3949億円だったと公表した。医療費総額は過去最高を更新したが、通常で年2%程度伸びる近年の傾向と比較すると、診療報酬のマイナス改定が影響して小幅な伸びとなった。0.8%増の要因分解は、人口の高齢化で1.1%増、医療の高度化などその他で1.1%増とプラスに作用した一方、人口の減少に伴う0.2%減、診療報酬のマイナス1.19%改定が押し下げた。1人当たりの国...
厚労省が2年度薬価調査を中医協に提出
市場実勢価との乖離率は8%
支払側 毎年改定のルール検討を
厚生労働省は2日、医薬品の市場実勢価格に関する令和2年度薬価調査の速報値を中央社会保険医療協議会(小塩隆士会長)の薬価専門部会に提出した。2年度薬価調査の結果は、3年度の毎年薬価改定に向けた議論を進めるための検討素材に位置づけられるが、2年度改定から半年後の医薬品の市場実勢価格は公定価格を平均で8.0%下回った。平均乖離率や投与形態別・主要薬効群別乖離率のほか、妥結率や単品単価取引の状況は、2年度と同様...
厚労省が3年度薬価改定の試算提示
乖離率の1倍超で全品目の半数対象
支払側と診療側の意見は平行線
厚生労働省は、令和3年度の毎年薬価改定における対象品目の範囲や医療費への影響などを試算し、9日に開催した中医協の薬価専門部会に提示した。2年度薬価調査の平均乖離率8.0%の「1倍超の場合」、3年度薬価改定の対象品目は全品目の半数にとどまり、そのうちの8割近くを後発医薬品が占める結果が明らかになった。また、医療費への影響額は、「全品目を対象とした場合」は▲4700億円、「1割超の場合」は▲3600億円と試算した。この結...
政府が第3弾の経済対策を決定
健保組合の保険者機能強化支援事業を拡大
小児科支援に特例報酬措置
政府は8日の臨時閣議で、民間投資も含む事業規模73.6兆円の「国民の命と暮らしを守る安心と希望のための総合経済対策」を決定した。「総合経済対策」は、今年の4月と5月に続く第3弾の追加的な経済対策で、▽新型コロナウイルス感染症の拡大防止策▽ポストコロナに向けた経済構造の転換・好循環の実現▽防災・減災、国土強靭化の推進など安全・安心の確保─が3本柱。国の財政支出は40兆円程度を見込み、このうち、年末に編成する令和...
健保連試算
支援金増加額は4年間累計で2.9兆円
後期2割 一般全体で抑制額▲1兆円
健保連の佐野雅宏副会長は2日、2025年度まで4年間の後期高齢者支援金の増加額の累計と、後期高齢者の自己負担を現行の1割から2割に引き上げた場合の支援金の抑制効果について、健保連独自の推計を交えた算出結果を医療保険部会に提出した。佐野副会長の提出資料は、厚生労働省が前回11月26日の同部会の会合に示した2022年度、2025年度の支援金総額とこれに対する抑制効果の試算にもとづき、健保連が独自に推計した2023年度、2024年度の2か...
医保部会が出産育児一時金を議論
佐野副会長 費用の実態把握が優先
年内に対応方針を決定
厚生労働省は、2日に開催された医療保険部会に、出産費用の明確化と透明性の確保に向けた対応を提案した。請求様式の見直し後に収集した新たなデータにもとづき出産育児一時金の水準を検討する提案に対し、委員からは、現行水準の維持・引き下げ・引き上げの3通りの意見があり、厚労省は、年内に議論を整理し、対応方針を決定する意向を示した。出産育児一時金は、健保組合などの加入者が出産した時に一定額を支給する健康保険上の仕...
2年3月・保険者別後発品使用割合
352健保組合が80%以上
全保険者平均は77.4%に上昇
厚生労働省はこのほど、令和2年3月診療分の保険者別後発医薬品の使用割合を公表した。それによると、政府目標の半年前の時点で、352健保組合が使用割合80%以上に達している状況が明らかになった。また、全保険者平均は77.4%に上昇した。政府は平成29年6月に閣議決定した「骨太方針2017」で、「令和2年9月までに、後発医薬品の使用割合を80%とし、できる限り早期に達成できるよう、さらなる使用促進を検討する」との方針を明示...