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離れて暮らす親のケア vol.88

NPO法人パオッコ理事長の太田差惠子さんが、親と離れて暮らす子の介護に関する悩みや不安について、事例を交えながら親のケアを考えていきます。

【コラム執筆】
NPO法人パオッコ
~離れて暮らす親のケアを考える会~
理事長 太田差惠子

親が入院、保証人は?

離れて暮らす親が病気やけがで入院したとの連絡があると、急いで病院に向かうことになるでしょう。

到着した際に、入院手続きが完了していない場合は、すぐに行う必要があります。その際、通常「身元保証人」を記載します。入院費用の支払いや緊急時の連絡対応、不幸にして死亡した際の遺体の引き取りなどを保証するものです。病院によっては、1名ではなく2名、また、別に「緊急連絡先」を求めるところもあります。

先月、Tさん(40代)の1人暮らしの母親が転倒して緊急入院しました。片道5時間の距離を駆け付けたTさんは、入院手続きを行い、保証人の欄に署名。すると、「遠方ですね。近くに親戚の方はいらっしゃいませんか」と病院の職員から問われたそうです。そこで、母親と同じ自治体に暮らす叔母にお願いしたところ、叔母は快く引き受けてくれました。しかし、転院の話が出ると、「責任が重いから、これ以上は…」と辞退してきたそうです。

Tさんは、「次の病院で受け入れてもらえなかったらどうしよう」と悩んでいました。しかし、もし何か言われても、「家族はみんな、遠方に暮らしています」と言えば良いのです。Tさんが保証人になることを拒まれる理由はありません。

それどころか、厚生労働省は「身元保証人などがいないことのみを理由に、患者の入院を拒否することは医師法に抵触する」との解釈を示しています。

ある程度の規模の病院には相談室も用意されているので、困ったことがあれば、率直に事情を話してみましょう。

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