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離れて暮らす親のケア vol.74

NPO法人パオッコ理事長の太田差惠子さんが、親と離れて暮らす子の介護に関する悩みや不安について、事例を交えながら親のケアを考えていきます。

【コラム執筆】
NPO法人パオッコ
~離れて暮らす親のケアを考える会~
理事長 太田差惠子

リフォームか駅前への転居か

親が転倒や転落により、自宅で骨折などのケガをしたことがある人は多いのではないでしょうか。実際、高齢者の家庭内事故は多く、要介護になる一因といわれています。築年数が経過していると、すきま風や雨漏りの悩みが生じることもあります。

Mさんも実家で1人暮らしをする母親(71歳)のことを心配しています。母親はまだまだ元気で、友人たちと旅行に出掛けたり、趣味のカラオケを楽しんだりしているそうです。ただ、戸建ての実家は老朽化が進んでいる上、段差だらけ。冬場の寒さは身に染みるといいます。

「今は大丈夫でも、90歳まで生きるとすればあと20年。もし100歳までなら30年ですから。実家はそんなには持ちません」とMさん。階段は急傾斜で、半年ほど前、母親は転落してケガをしたそうです。

Mさんは実家の建て替えやリフォームを考えつつ、マンションへの転居も検討していると言います。候補のマンションは、実家からは2kmほどの駅前です。「商店や病院が近くなり、母の生活の利便性は良くなると思います。もし、母に介護が必要になれば、私が頻繁に通うことになるでしょう。駅から近いと私も助かります」とMさんは話します。

転居となれば、年齢的に、高齢者向けの住宅や老人ホームも選択肢となるでしょう。いずれにしろ、母親の暮らす場のことです。親子でじっくり話し合い、今後の暮らしを心身面はもちろん、経済面も含めてシミュレーションし、後悔のない決断をしたいものです。

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