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離れて暮らす親のケア vol.73

NPO法人パオッコ理事長の太田差惠子さんが、親と離れて暮らす子の介護に関する悩みや不安について、事例を交えながら親のケアを考えていきます。

【コラム執筆】
NPO法人パオッコ
~離れて暮らす親のケアを考える会~
理事長 太田差惠子

きょうだい間でもめないために

きょうだいと別々に暮らすようになり、相当な年月が経っている人が多いのではないでしょうか。一緒に育った間柄とはいえ、その年月の間に、暮らし振り、家族構成、経済状態はもとより、考え方や価値観も変わってしまっていることが珍しくありません。しかし、親の介護がスタートすると、そんなきょうだいとも正面から向き合う必要が生じます。

「親を介護する際、難しいのはきょうだい関係」と断言する人さえいます。K子さんもそんな1人です。K子さんには、弟がいます。実家では、80代の母親が1人で暮らしていました。先月、突然、弟が母親を高齢者施設に連れていき、入居させたといいます。K子さんにとって、青天の霹靂。K子さんは、すぐに施設に母親を訪ねました。母親は「家に帰りたい」と泣くばかりだったと言います。

K子さんからの話しか聞いていないので、実情は不明です。もしかすると弟は、親の介護に責任を感じて決断したのかもしれませんし、母親も、長男の言葉に頷いた瞬間はあったのかもしれません。K子さんも、どこまで母親の介護に参加していたのか分かりません。いずれにしろ、事前の家族間の話し合いが不十分だったことは間違いないでしょう。

親に支援や介護が必要になったら、親本人はもちろん、きょうだいとも、なるべく早く、介護の方法について話し合う時間を確保しましょう。連絡方法を決めておくことも大切です。施設介護も想定するなら、そのタイミングについても、考え方を共有しておきたいものです。

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