健康コラム
離れて暮らす親のケア vol.71
NPO法人パオッコ理事長の太田差惠子さんが、親と離れて暮らす子の介護に関する悩みや不安について、事例を交えながら親のケアを考えていきます。
【コラム執筆】
NPO法人パオッコ
~離れて暮らす親のケアを考える会~
理事長 太田差惠子
どうする?ごみ出し
離れて暮らす親のごみ出しに、頭を悩ましている子に出会うことがあります。親がごみ出しをせずに、「家にごみがいっぱい」とか、「ご近所から苦情がきました」と……。実際、高齢化により、「今後、ごみ出しが困難な住民が増える」と想定している自治体は約9割という調査結果があります(2015,国立環境研究所)。
Tさんの母親は故郷で1人暮らし。なんとか身の回りのことはできるものの、ごみステーションまでごみ出しに行くことは難しく、自治体の支援サービスを利用しています。決められた時間までに玄関先に出すと、清掃局の職員が回収してくれるそうです。「ごみが出ていない場合は、インターホンを押して、安否確認をしてくれます」とTさん。あらかじめTさんを「緊急連絡先」と登録してあり、母親がインターホンに出ない場合などは電話が掛かってくる仕組みです。「電話が掛かってきたことはないですが、ごみ出しが助かる上、無料で安否確認もしてもらえるって、ありがたいですね」とTさん。
先述の調査によると、2015年現在、「ごみ出し支援制度」がある自治体は2割程度だとか。現在は、もう少し増えているのではないでしょうか。そのうち、安否の声掛けを行っている自治体は7割以上。声掛けを行っている自治体のうち「高齢者の不調やトラブルを発見したことがある」のは約4割とのこと。
親のごみ出しが気がかりなら、親の暮らす自治体にサービスがないか問い合わせてみては。「ふれあい収集」などの名称で実施しているところが多いようです。