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離れて暮らす親のケア vol.69

NPO法人パオッコ理事長の太田差惠子さんが、親と離れて暮らす子の介護に関する悩みや不安について、事例を交えながら親のケアを考えていきます。

【コラム執筆】
NPO法人パオッコ
~離れて暮らす親のケアを考える会~
理事長 太田差惠子

一時的に在宅勤務で親を看る

離れて暮らす1人暮らしの親に介護が必要となった場合、一時的に子どもの家に来てもらった、という声を聞くことがあります。住民票を移さなくても、親は、子どもの家に住みながら、介護保険のサービスを利用することは可能です。

Rさんの母親は、田舎の実家で1人暮らしをしていました。あるとき骨折で入院。退院後、3カ月ほど、Rさんの自宅で療養することに。Rさん夫婦は共働きです。日中は夫婦ともに出払うため、ホームヘルプサービスの利用を検討しました。しかし、母親は1人で玄関先まで出られません。サービスを利用してホームヘルパーに入室してもらうには、事業所に鍵を預ける必要があります。

Rさんは妻と2人暮らしで、夫婦ともに他人に鍵を預けることは、抵抗があったと言います。ケアマネジャーに相談すると、母親の暮らす田舎では、鍵を開けたままにする人も結構いるとか。しかし、都会ではそれもためらわれます。

結局、Rさんは職場の上司に相談し、ヘルパーが来る週に3日、在宅勤務をすることに。パソコンさえあれば、どこでもできる業務も多く、もともとRさんの勤務先では、テレワークを推進していました。そして、訪問してくれるホームヘルパーとも顔なじみになりました。「この人たちなら、大丈夫」と信頼関係を築けたので、2カ月目からは、鍵を預けることにしたそうです。

親の介護が始まったら、介護サービスはもちろん、職場の制度も活用しつつ、仕事との両立を検討してみてはいかがでしょうか。

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