HOME > 健康コラム > 離れて暮らす親のケアバックナンバー > 離れて暮らす親のケア vol.46

健康コラム

離れて暮らす親のケア vol.46

NPO法人パオッコ理事長の太田差惠子さんが、親と離れて暮らす子の介護に関する悩みや不安について、事例を交えながら親のケアを考えていきます。

【コラム執筆】
NPO法人パオッコ
~離れて暮らす親のケアを考える会~
理事長 太田差惠子

イザというときの費用はどこから?

故郷の親が入院したとの連絡。駆けつけると意思疎通ができない状態…。入院手続きをするように言われて窓口に行くと「当院では入院時に、入院保証金をお預かりいたします」と言われる。なんて経験をしたことはありませんか。

会社員T江さん(40代)は父親が倒れた際、「10万円を現金で」と言われて困惑しました。父親は話せる状態に戻るか分からない。父親の財布には、1000円札が数枚入っているだけでキャッシュカードも見当たりませんでした。「はて、どこからお金を出せば…」と困りました。入院保証金の額は病院によって異なります。退院時には入院費へ充当され残りは戻ってくるとはいえ、突然の出費…。

T江さんの父親はもう10年以上ひとり暮らし。頑固なところがあり、その金銭管理に、T江さんが口をはさめる雰囲気はなかったと言います。実家のたんすを探すと、引き出しから父親名義の通帳と印鑑は出てきました。が、委任状がないので銀行の窓口でお金をおろすことはできません。結局、後から駆けつけた弟と5万円ずつ出して支払いました。

幸い、数日後に父親の意識は回復。少々抵抗されましたが、キャッシュカードの在り処と暗証番号を聞き出すことに成功。「意識が戻ってほっとしました。高齢の親の預貯金や保険の情報は知っておくべきですね」とT江さん。確かに、急に倒れたり、認知症などの影響で急にお金の管理ができなくなったりすることも。

そんな時に慌てないよう事前の策を親子で話し合っておきたいものです。

バックナンバー

健康コラム
KENKO-column

HOME > 健康コラム > 離れて暮らす親のケアバックナンバー