健康コラム
離れて暮らす親のケア vol.34
NPO法人パオッコ理事長の太田差惠子さんが、親と離れて暮らす子の介護に関する悩みや不安について、事例を交えながら親のケアを考えていきます。
【コラム執筆】
NPO法人パオッコ
~離れて暮らす親のケアを考える会~
理事長 太田差惠子
「介護保険」申請時のポイント
お正月に久しぶりに会った親。一段と老いた様子を目の当たりにし、今後に不安を抱えている人もいるかもしれません。親の生活に何がしかの手助けが必要になっているなら、「介護保険」の申請を検討する時です。親に「そろそろ利用しようよ」と提案してみましょう。
本人が申請することが難しければ、家族がおこなうこともできます。けれども親の家が遠方だと、「次回帰省したときに…」と先延ばしにしがちです。仕事もあると、思うように行動できないこともあります。そんなときは、親の暮らす地域を担当する地域包括支援センターに申請を代行してもらうといいでしょう。電話で相談してみてください。手続きは無料です。
申請すると、介護が必要な状態か調査が行われます。認定調査員が親の家を訪問し、心身の状況などを聞き取るものです。何度も帰省することが難しい場合は、申請時は代行で済ませて、認定調査のときに帰省することをお勧めします。なぜなら、「できますか」と問われたことに、本当は難しいことでもプライドや遠慮から「できます!」と答える親が少なくないからです。認定結果に影響を及ぼし、実際に必要なサービスを受けられなくなると大変です。親が事実と異なることを言ったら、現状を伝えるようにします。ただし、親のココロを傷つけないよう、本人に聞こえないように配慮することをお忘れなく。事前に気掛かりなことをメモ書きしておき、調査員に手渡すのもいいでしょう。