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離れて暮らす親のケア vol.33

NPO法人パオッコ理事長の太田差惠子さんが、親と離れて暮らす子の介護に関する悩みや不安について、事例を交えながら親のケアを考えていきます。

【コラム執筆】
NPO法人パオッコ
~離れて暮らす親のケアを考える会~
理事長 太田差惠子

車の運転をやめさせたいが…

先日、ある行政で開かれた介護セミナーに講師として参加しました。終了間際、ひとりの男性から質問を受けました。「遠方で暮らす親に運転をやめてもらいたいのですが…」。同じ内容の質問をしばしば受けます。

交通の便が悪い地で暮らしていると、「車」は生活の足そのものです。とはいえ、「車」は凶器となる可能性があります。事故を起こした場合、運転する親のみならず、他人を巻き込んでしまう可能性も。実際、高齢者人口の増加とともに、高齢ドライバーによる事故は増加しており年間10万件以上となっています。やはり加齢に伴い、とっさの判断力の低下などは否めないといえます。

では、どう話せば親は運転することをやめるでしょう。それは人それぞれですが、まずは高齢者の運転事故が多い現状を話すことが必要だと思います。その上で、もし運転免許証を返納した場合、どういう不自由が生じるか一緒に考えることが大切です。買い物や通院に困るというのであれば、どう対処するか。コミュニティバスを走らせる自治体も増えています。自治体によっては、免許証の返納特典としてコミュニティバスの乗車運賃を減額したり、タクシー料金の割引をおこなったりするところも。重い商品の無料配送などを実施するところもあるようです。一方、運転免許証の返納とは関係なく、地域の高齢者のために移送サービスをおこなう自治体もあります。親の暮らす地域にどのようなサービスがあるか、地域包括支援センターや社会福祉協議会で情報収集してみましょう。

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