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離れて暮らす親のケア vol.21

NPO法人パオッコ理事長の太田差惠子さんが、親と離れて暮らす子の介護に関する悩みや不安について、事例を交えながら親のケアを考えていきます。

【コラム執筆】
NPO法人パオッコ
~離れて暮らす親のケアを考える会~
理事長 太田差惠子

孤独死を予防するために

「母が『孤独死』しないかと不安なんです」とKさん(50代・女性)は遠方でひとり暮らしをする母親を気遣います。

老親と離れて暮らす子の多くが、Kさんと同様の心配を抱えているようです。
「孤独死(孤立死)」という言葉にはっきりとした定義はありませんが、通常「だれにも気づかれずに1人きりで死ぬこと」という意味で使われています。たしかにひとり暮らしだと、具合が悪くなっても電話で救急車を呼ぶことができないケースも出てくるでしょう。

とはいえ、もし一緒に暮らしたとしても、24時間そばにいられるわけではありません。自分が出かけているときに死が訪れる可能性もあります。同居している娘さん夫婦が海外旅行に出かけている間に、留守番をされていたお母さんが亡くなられた話を聞いたこともあります。

別居だからといって、必要以上に孤独死を恐れることはないように思います。Kさんは毎晩夕食を終えると、母親に電話を掛けるそうです。もしも、電話に出ないようなことがあれば、近所の親戚に様子を見に行ってもらえるよう合鍵を渡しています。

Kさんのように、連絡を密にすることで異変を察知することはできます。ほかにも、毎日誰かが親と顔を合わせるように、食事の宅配やホームヘルプサービスなどの利用を促すのも方法です。あるいは、親の家の郵便受けに新聞がたまっていたらチャイムを鳴らしてもらえるようお隣さんにお願いしておくだけでも、安心感は高まるのではないでしょうか。

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