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離れて暮らす親のケア vol.18

NPO法人パオッコ理事長の太田差惠子さんが、親と離れて暮らす子の介護に関する悩みや不安について、事例を交えながら親のケアを考えていきます。

【コラム執筆】
NPO法人パオッコ
~離れて暮らす親のケアを考える会~
理事長 太田差惠子

もしかして認知症?

現在、65歳以上の4人に1人が認知症とその“予備軍”といわれています。厚生労働省の調査によると、有病率を年代別にみると、74歳までは10%以下ですが、85歳以上では40%超となります。

東京都で暮らすTさん(50代・男性)の両親(80代)は、埼玉県の実家で暮らしています。隣県とはいえ、片道2時間弱かかり、帰省はお盆と正月くらいでした。

半年ほど前、父親から電話がかかってきました。母親のもの忘れが多くなっているらしく、認知症を疑っているようすです。Tさんが帰省すると、仏壇の前に敷かれた座布団が焦げていました。また、いつもお洒落な母親の身だしなみが、ブラウスのボタンが2つ外れたままでだらしないことも気になりました。Tさんは念のため休暇をとって、母親を地域の「物忘れクリニック」に連れていきました。結果は、アルツハイマー型認知症でした。

幸い初期で、処方された薬が効き症状は安定しています。介護保険の申請をし、ヘルパーに入ってもらうこともできました。Tさんは帰省の頻度を月2度に。

どこまで両親2人での暮らしが継続できるか分かりませんが、できるところまでこの体制でと考えています。「困ったことがあったらすぐ連絡するように、父に言っています」とTさん。

症状がささいな場合は、「歳だから」と年齢のせいにしがちです。しかし、もし認知症であっても早期であればTさんの母親のように薬で進行を遅らせることができるケースもあります。病気のサインを見逃さないようにしたいものです。

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