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健康コラム

離れて暮らす親のケア vol.151

介護・暮らしジャーナリストの太田差惠子さんが、親と離れて暮らす子の介護に関する悩みや不安について、事例を交えながら親のケアを考えていきます。

介護タクシーで孫の結婚式へ!

介護が必要になると、「何か起きると大変だから」と行動をセーブすることがあります。もちろん、過度な負担をかけることは控えなければなりませんが、本人にやりたいこと、出かけたい場所があるなら、「本当に、ムリ? できない?」と再検討してみませんか。

Tさん(女性50代)の母親(80代)は車いすを利用しており、有料老人ホームで暮らしています。Tさんの長女が結婚することになりました。幼いころから〝おばあちゃん子〟だった長女は祖母に結婚式に出てほしいと言いましたが、本人は「自信がない」と辞退。「母は『行かない』と言いましたが、本音では『行きたい』と思っていることが分かりました」とTさん。そこで、Tさんは、ホームのケアマネジャーとも相談し、母親に介護タクシーの利用を提案しました。まずお試しで、近場の外出に使ってみたところ、「これなら、行けるかもしれない!」と母親は目を輝かせたそうです。

結婚式当日、Tさんは早めにホームへ行き、母親に黒いパンツとブラウスを着せ、華やかなパールのネックレスを付けてメイクを施しました。そして、迎えに来た介護タクシーで2時間かけて式場へ。「母とウエディングドレス姿の娘は抱き合って泣いていました。連れて行って本当によかった」とTさん。

介護タクシーには介護保険対応と保険外があります。Tさんが利用したのは保険外。諸条件のある保険利用と異なり、利用目的に制限はありません。全額自費にはなりますが、家族の同乗も可能です。うまく利用することで、「行けない」と思い込んでいるところへ出かけることができるかもしれません。

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