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健康コラム

離れて暮らす親のケア vol.149

介護・暮らしジャーナリストの太田差惠子さんが、親と離れて暮らす子の介護に関する悩みや不安について、事例を交えながら親のケアを考えていきます。

姉と3人暮らしの両親が心配

きょうだいの誰かが親と同居していると、安心な面もあります。けれども、そのきょうだいが親の支援や介護をしてくれるとは限りません。

Mさん(女性50代)の両親(80代)は、車で2時間ほどの実家で、Mさんの姉と3人で暮らしています。両親にとっては長女で、Mさんは次女。「実は、姉と父が不仲なのです。姉は働いていませんが、家事も母任せ」とMさんはため息をつきます。最近、母親の腰の具合が悪く、家事をするのも難しくなってきています。しかし、姉はスーパーで総菜を買ってくるくらいで、家のことはほとんど何もしません。仕方なく、Mさんが週末に実家に行き、掃除や家事を行っています。父親が姉に文句を言うと、姉も言い返すため怒鳴り合いになるそうです。

Mさんのところに限った話ではなく、こうした悩みを時々耳にします。親との関係は、親子ごとに異なり、自分は親と良好な関係でも、きょうだいはそうではないケースもあります。もしかするとMさんの姉にも言い分はあるのかもしれません。できれば、腹を割って話し合い、今後の両親の介護についてどのように考えているか聞きたいものです。

姉の意見を聞いた上で、なるべく早く、外部の支援を入れる方が良いと思います。地域包括支援センターに相談し、母親に対し介護保険の申請を行いましょう。その際、家族の関係についてもありのまま話してください。世の中、〝不仲な親子〟はいくらでもいます。家族だけで抱え込まず、両親に不自由が生じないように支えていく方法を一緒に考えてもらいましょう。

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