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離れて暮らす親のケア vol.139

NPO法人パオッコ理事長の太田差惠子さんが、親と離れて暮らす子の介護に関する悩みや不安について、事例を交えながら親のケアを考えていきます。

【コラム執筆】
NPO法人パオッコ
~離れて暮らす親のケアを考える会~
理事長 太田差惠子

親への仕送りに妻が猛反対

高齢になっても仕事を続ける親が増えています。けれども、多くの場合、心身の衰えなどにより完全リタイアする時期がやってきます。

Gさん(男性40代)の両親は、実家で2人暮らしをしています。父親は定年退職後も、マンションの管理人の職に就いていました。しかし、後期高齢者健診で病気が見つかったのを機に、仕事を辞めました。年金収入があるとはいえ、病院通いも始まり、「家計はきついだろうと思うのです」とGさん。そこで、仕送りをしたいと考え、妻に相談したのですが……。「教育費もかかり、家のローンも残っているのに、何を言っているの!?」とけんもほろろ。「僕は私立の大学を出してもらっており、親孝行したいのですが」とGさんは肩を落とします。

親への仕送りをするかどうか、悩ましい問題です。経済が右肩上がりの時代とは異なり、世代を問わず家計は厳しさを増しており、気持ちはあっても難しいケースも。実際、国の調査によると、親への仕送りを行っている世帯は全世帯中の約2%と少数。いったん始めると、途中でやめるのは難しい面もあります。親が90代、100歳超と長生きすれば、自分たちも年金生活となるので、長期スパンで自身の生活設計を考えておく必要もあるでしょう。それに、配偶者の理解を得ることはもちろん、その親も健在なら対応に差をつけると夫婦でもめることも。

現金を渡すことだけが支援ではありません。例えば、収入が少ないと、医療費や介護費を軽減する制度があります。情報を集め、賢く利用できるようにサポートすることも大きな助けとなるはずです。

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