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離れて暮らす親のケア vol.137

NPO法人パオッコ理事長の太田差惠子さんが、親と離れて暮らす子の介護に関する悩みや不安について、事例を交えながら親のケアを考えていきます。

【コラム執筆】
NPO法人パオッコ
~離れて暮らす親のケアを考える会~
理事長 太田差惠子

親から300万円の定期を渡された!

いつか、介護が必要になった際に、子に負担をかけたくないと考える老親が増えているように思います。

Rさん(女性40代)の母親(70代)は実家で1人暮らし。先日、Rさんが帰省したとき、母親から300万円の入った定期預金を渡されたそうです。「もし、介護が必要になってお金がかかったら、ここからお願い」と。「迷いましたが、母の意思が固かったので。でも、これ、どうしたらいいのかしら」とRさんは扱いに困っていました。

親からまとまったお金を渡されると、子としては戸惑うかもしれません。でも、せっかくなら、上手に活用したいものです。一案としては、いざというときに現金化しやすいように親からの「預かり金」にする方法があります。

自分のお金と親のお金をしっかり線引きできるように、まず、子名義の新たな通帳を作成。親に定期を解約してもらって、作成した子の口座に入金してもらいます。もし税務署から問われても「預かり金」だと証明できるように、親子で覚書を交わします。そして、今後、親の医療、介護費用を支払う場面が訪れたら、そこから出金。あくまで親から預かっているお金なので、贈与税がかかることはありません。出金する際には、明細と領収書を残すこともお忘れなく。親が死亡した時点で残金があれば、相続財産の一部となります。

親のお金を本人のために使えると、親子双方の安心感につながります。ただ、きょうだいがいる場合は、親のお金をもらったと誤解されかねないので、必ず事前に伝え、了解を得るようにしましょう。

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