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離れて暮らす親のケア vol.134

NPO法人パオッコ理事長の太田差惠子さんが、親と離れて暮らす子の介護に関する悩みや不安について、事例を交えながら親のケアを考えていきます。

【コラム執筆】
NPO法人パオッコ
~離れて暮らす親のケアを考える会~
理事長 太田差惠子

老健(ろうけん)入所で減薬?

「老健」とは介護老人保健施設の略称で、入院していた高齢の方が、退院後、在宅復帰を目指し医療ケアやリハビリを受ける施設です。介護保険を利用して入所する公的施設で、対象は要介護1~5の方。入所期間は原則3カ月ほどですが、実際には年単位で入っている方もおり、中には特別養護老人ホームが空くのを待機している方もいます。

Rさん(男性50代)の父親(80代)は実家で1人暮らし。要介護3です。「病気で入院していましたが、退院します。でも、すぐに1人暮らしに戻すことは難しいので、一時的に老健に入れようと考えました」とRさん。ところが、老健に相談に行ったところ、「入所していただくには、一部、薬の服用を中止していただくことになります」と言われ、困惑していました。

実は、老健には医師が常駐しており、利用者の医療について一括して担います。一部の例外を除き、医療費についても老健が負担することになっています(利用料に含まれている)。そこで、入所が決まると副作用などを避けるため、処方の見直しが行われます。それは、利用者の心身への影響を考えてのことではありますが、老健側の経済的負担軽減という目的もあります。高額な薬を処方すると、老健側の経営を圧迫するためです。

老健への入所を検討する際には、現在服用中の薬についての対応を確認しましょう。必要に応じ、老健側と主治医で情報共有や連携をしてくれます。後発医薬品が存在するものについては、処方の変更が行われることもあります。

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