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離れて暮らす親のケア vol.129

NPO法人パオッコ理事長の太田差惠子さんが、親と離れて暮らす子の介護に関する悩みや不安について、事例を交えながら親のケアを考えていきます。

【コラム執筆】
NPO法人パオッコ
~離れて暮らす親のケアを考える会~
理事長 太田差惠子

両親そろっての入居なら2人部屋?

実家で暮らす親が体調を崩すと、「施設に入居する方が良いのでは」と思うことがあります。

Sさん(女性50代)の両親は車で1時間ほどの実家で2人暮らし。父親は要介護4、そして母親は要支援2。平日は、両親共に介護保険のサービスを利用し、週末はSさんが実家に行き、身の回りの世話をします。「介護保険のサービスを利用しているとはいえ、夜は、母が父の介護をすることに。共倒れが心配です」とSさん。実家を売却し、2人を有料老人ホームに入居させることを考えています。しかし、2人部屋は数が少なく、ほとんどが1人部屋です。「別の部屋だと、2人を引き離すようで……」とSさんは悩んでいました。

確かに、介護付き有料老人ホームは1人部屋が中心です。しかし、要介護の状態が大幅に異なる場合、同室が良いとは限りません。通常、自宅に比べて居室はグッと狭くなります。顔を合わせている時間が長くなり、「両親のけんかが絶えない」という声を聞くことも。それに、24時間体制で介護を行ってくれるホームでも、当然ながら居室にスタッフがいるわけではありません。スタッフを呼ぶのをためらうと、元気な方が、介護を続けることになってしまいます。

2人部屋にこだわらずに探す方が選択肢は広がるでしょう。あるいは、母親は在宅のまま父親だけ施設に入居してもらうのも一案です。要介護4なら特別養護老人ホームにも申し込めます。両親とよく話し合い、メリット・デメリットを考えながらより良い方法を選択したいものです。

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