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離れて暮らす親のケア vol.123

NPO法人パオッコ理事長の太田差惠子さんが、親と離れて暮らす子の介護に関する悩みや不安について、事例を交えながら親のケアを考えていきます。

【コラム執筆】
NPO法人パオッコ
~離れて暮らす親のケアを考える会~
理事長 太田差惠子

一人っ子介護はツライ?

親の介護について、「一人っ子はとっても大変」という声が聞こえてくることがあります。親の用事が10回あるとして、計算上は、一人っ子なら10回、2人なら5回ずつ、3人なら3回強で完了します。

Oさん(50代女性、東京)は一人っ子です。父親(80代)は大阪の実家で1人暮らし。介護が必要になってからは、頻繁に往復しています。「一人っ子はツライと思っていました。全部、私がしなきゃいけない。でも友人が、『兄は親の介護に手を貸さない』といつも愚痴っているのを聞くうちに、一人っ子の方がラクかもと思うようになりました」。

確かに、きょうだいがいても、親のために使える時間や費用は異なります。親に対する気持ちの温度差もあるでしょう。その結果、きょうだいがいるのに、用事が10あれば自分が10全て対応せざるを得ないことも……。

Oさんは頻繁に帰省しますが、往復の新幹線代は父親の口座から下ろしているそうです。「父と合意さえすれば、誰にも気兼ねせずに済むのはラクです」とにっこり。ただ、父親はがんを患っていますが、「手術をしない」と結論付けたときは、「自分の判断で、父の命を左右してしまうプレッシャーがあった」と打ち明けました。きょうだいで話し合うことができれば心理的重圧は半減できたかもしれません。

結局、どんな環境にも良い面、悪い面があるのではないでしょうか。比較しても変えられないことは、できる限り良い面だけを見るようにしたいものです。自分の軸をしっかりと保ちつつ親と向き合いましょう。

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