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離れて暮らす親のケア vol.120

NPO法人パオッコ理事長の太田差惠子さんが、親と離れて暮らす子の介護に関する悩みや不安について、事例を交えながら親のケアを考えていきます。

【コラム執筆】
NPO法人パオッコ
~離れて暮らす親のケアを考える会~
理事長 太田差惠子

きょうだいが親と同居、どう関わる?

きょうだいがいる場合、全員が親元を離れているケースと、誰かが同居しているケースがあります。親に心身の不調が出てきた場合、きょうだいが親の傍らにいると安心ですが、一方で同居している者の心境は複雑かもしれません。

Tさん(40代男性、東京)の母親は東北地方の実家で、Tさんの妹と2人暮らしです。10年ほど前、妹は離婚し、実家に戻りました。このところ、母親の体調が悪く、妹は度々(たびたび)、母親を受診させるために病院に同行。その度、仕事を休んでいるようです。このまま〝介護〟が始まるのではと、おびえているようす。「母のことを妹に押し付けるつもりはないのですが、どうしたものか……」とTさん。

子の全員が別居なら、例えば病院に行くにも一人でタクシーを呼んで出掛けますが、傍らにいると、「車を出そう」ということになるでしょう。しかし、もし本格的な介護が始まれば長期化は必至。なんでもやってあげようとすれば、妹にとって仕事との両立も危うくなりかねません。

これからのケア方法について話し合うために一度帰省することをお勧めします。「一緒に考えるよ」というメッセージになり、母親にとっても妹にとっても安心感につながるでしょう。今後、サービスを利用するには先立つものも必要です。電話では話しづらいので、顔を合わせたときに介護のお金についても、どのように考えているか確認を。また、母親や妹が不安に思っていることについても耳を傾け、妹が母親のために行っていることには、感謝の言葉掛けを忘れないようにしたいものです。

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