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離れて暮らす親のケア vol.117

NPO法人パオッコ理事長の太田差惠子さんが、親と離れて暮らす子の介護に関する悩みや不安について、事例を交えながら親のケアを考えていきます。

【コラム執筆】
NPO法人パオッコ
~離れて暮らす親のケアを考える会~
理事長 太田差惠子

電話をかけてもらって“異変”をキャッチ

離れて暮らしていると、親の“異変”をキャッチするのは簡単ではありません。なかには、「気付かないうちに、介護の必要度合いが進んでいた」と後悔する人も。そういうことを避けるために、「定期的に電話をかけて、様子を確認している」という声をよく聞きます。

Mさん(女性50代)は離れて暮らす母親(80代)から毎週水曜日の夜9時に電話がかかってくるそうです。「私からかけるのではなく、母からかけてもらっています。毎週月曜9時は兄のところへ、そして水曜9時は私のところへ」とMさん。体調が悪いと電話をかけることを失念したり、日時の感覚が鈍ったりすることがあるからです。決めた時刻に電話がこないことが続けば、何らかの異変が生じているサインといえるでしょう。「月曜は長男、水曜は長女」と、電話する先を変えることで曜日を考える習慣もつきます。「今後、母に何かあったとき、兄にも介護に参加してもらいたいじゃないですか。母からの電話を受けていれば、兄も私と同じ立ち位置にいてくれるでしょ」とMさんはにっこりほほ笑みます。

家族間の連絡の取り方は、ライフスタイルなどによっても異なり、正解があるわけではありません。でも、Mさんのように「一挙両得」を狙うのも手です。確かに、親の介護のことできょうだいが同じ土俵に立てるのは心強いです。電話がかかってくるタイミングが崩れるようなことがあれば、相談し合って様子を見にいったり、介護保険の利用を検討したりできます。親にとっても、両方の子と話せるのは楽しみなことでしょう。

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