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離れて暮らす親のケア vol.102

NPO法人パオッコ理事長の太田差惠子さんが、親と離れて暮らす子の介護に関する悩みや不安について、事例を交えながら親のケアを考えていきます。

【コラム執筆】
NPO法人パオッコ
~離れて暮らす親のケアを考える会~
理事長 太田差惠子

はがきや絵手紙が生活の彩りに

連日の新型コロナ報道に、老若問わず「気持ちが沈みがち」という声を聞くことが増えています。特に高齢の親の心には〝コロナ〟のことが占める比重が大きくなっているのではないでしょうか。子世代よりもテレビを見る時間が長く、勤めに出ているわけでもなければ当然です。おまけに「高齢者は重症化リスクが高い」と日に幾度も聞かされると、ストレスはたまる一方でしょう。

M美さんの母親(80代)は実家で1人暮らし。コロナ以前は地域の集まりに積極的に出かけるなどアクティブに過ごしていたそうです。ところが、春以降、高齢者の集いは中止になることが多く、母親はがっかりしている様子。最初は母親にタブレット端末をプレゼントしてオンラインで話すことを考えましたが、「機械は苦手」と言われたそうです。

そこで、M美さんはこれまで旅行に行く先々で買っていた絵はがきに短文を書いて、週1で母親に送ることを思いつきました。狙ったわけではないのですが、母親からはなんと〝絵手紙〟の返事が届くようになりました。草花や野菜など身近なものが描かれています。ぬくもりがあり、M美さんはほっこり。「母は絵手紙を描くことが楽しくなったらしく、最近は友達にも送っているようです」とM美さんも嬉しそうです。

趣味にまで発展することは稀(まれ)だとしても、デジタル通信の進歩した今だからこそ、はがきや絵手紙に心が和むこともあるのではないでしょうか。案外、親子双方にとっての日々の彩りや癒しになるかもしれません。

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