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離れて暮らす親のケア vol.101

NPO法人パオッコ理事長の太田差惠子さんが、親と離れて暮らす子の介護に関する悩みや不安について、事例を交えながら親のケアを考えていきます。

【コラム執筆】
NPO法人パオッコ
~離れて暮らす親のケアを考える会~
理事長 太田差惠子

第2波に備えた環境整備を

6月に都道府県をまたぐ移動の自粛要請が解除されて以来、「久しぶりに遠方で暮らす老親と会えた」という声が各地より聞こえてきます。

首都圏で暮らすT子さんも解除を受け、九州の実家で1人暮らしをする母親に会うために帰省しました。自粛期間中、電話で話してはいたものの、「心配だった」と言います。母親は週に2回、地域の高齢者が集まる運動教室に参加していたのですが、感染拡大防止のために休止となっていました。

T子さんの帰省頻度はおおむね3カ月ごと。4月に帰省できなかったため、今回は正月以来、半年ぶりの再会でした。母親は閉じこもりがちだったせいか食が細くなり、体重が3キロほど落ちていました。動きが緩慢となり、かかりつけの医師からも、いわゆる「フレイル(虚弱)」状態だと言われたそうです。

そこで、帰省中に地元の地域包括支援センターへ行き、介護保険の要介護認定を申請。「近々、訪問調査があります。そのときは、弟が帰省して付き添ってくれることになりました」とT子さん。地域包括支援センターでは、介護保険のサービス以外にも、昼食を自宅に届けてくれる「食事の宅配サービス」、緊急時にボタン1つで通報できる「緊急通報システム」の利用を提案されたそうです。

第2波、第3波が来れば、また帰省が難しくなることもあるかもしれません。T子さんのように、「今のうちにできること」を見定めて、可能な範囲で環境を整えることができれば、親にとっても子にとっても安心感がアップします。

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