健康コラム

賢い患者になろう〜患者の悩み相談室〜 By COML vol.97

「賢い患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ「COML(コムル)」が、読者からの電話医療相談に丁寧に答えていきます。

【相談担当】
認定NPO法人ささえあい医療人権センターCOML(コムル)
理事長 山口 育子

少しでも長生きして欲しい私 自然の流れに任せたい妹

相 談脳梗塞の疑いで入院していた95歳の母が、入院10日目の夜に突然、容態が悪化しました。翌日の早朝に病院から電話がかかってきたので、妹と一緒に病院に駆け付けました。すると医師から「今日すぐに亡くなってもおかしくない状態です。1カ月もつことはまずないでしょう」と言われました。私が「それなら自宅で最期を迎えさせたいので、連れて帰りたい」と頼むと、「いま動かすのは危険です」と反対されました。さらに、その医師は「むしろ心筋梗塞で亡くなっていた方が幸せだったかもしれませんね。高カロリーの栄養を入れると逆に苦しむから、ブドウ糖のみ点滴で入れましょう」と言い、賛同した妹が同意書にサインしました。

私はそのときは動揺して十分に理解できなかったのですが、帰宅してよく考えると、満足な栄養を入れないとこのまま死んでしまうと不安になりました。そこで、病院に行って「やはり栄養を入れてください」と看護師にお願いしたのですが、「医師はいま処置中で、その後も予定が入っているので、今日は時間を取るのは難しいです。週明けまで待ってください」と言われてしまいました。

少しでも早く栄養を入れて、母を生かして欲しいと思っています。それを認めてくれないのなら、母を別の病院に転院させたいのですが……。

回 答COML(コムル)理事長 山口育子

相談者の妹さんがサインしたのは、母親が95歳と高齢で、もう助からないのであれば、苦しまない方法で自然の流れに任せたいという考えからだそうです。しかし、相談者は妹さんの考えには同意できず、少しでも長く母親に生きてもらいたいので、十分な栄養を与えて欲しいと希望するとのことでした。

医療現場としては家族の考えが統一されず、それぞれの想いを主張されることは困ります。そのため、キーパーソンを1人に絞り対応しています。そのことを伝えたところ、誰がキーパーソンなのか相談者は明確に理解されていませんでした。そこで、誰をキーパーソンと認識しているのか、なぜ栄養を入れると苦しむのかを医師に確認した上で、他のきょうだいも含めて家族でそれぞれの意見を出し合うようお勧めしました。

認定NPO法人ささえあい医療人権センターCOML(コムル)

「賢い患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ

詳しくはCOMLホームページへ https://www.coml.gr.jp/

電話医療相談:TEL 03-3830-0644
〈月・水・金 10:00〜13:00、14:00〜17:00/土 10:00〜13:00〉
ただし、月曜日が祝日の場合は翌火曜日に振り替え

提供:健康保険組合連合会 
放送:ラジオNIKKEI 第1 毎月第4金曜日 17:20~17:40
聴取可能アプリ:radiko、Apple Podcasts、Spotify

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