健康コラム
賢い患者になろう〜患者の悩み相談室〜 By COML vol.96
「賢い患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ「COML(コムル)」が、読者からの電話医療相談に丁寧に答えていきます。
【相談担当】
NPO法人ささえあい医療人権センター
COML(コムル) 山口 育子
医師の処方ミス! 疑義照会をしなかった薬剤師にも不満
相 談2歳8カ月の娘は、1歳になる直前に気管支喘息(ぜんそく)を発症し、5歳の長男がお世話になっていた小児科クリニックに通うようになりました。
ところが先日、その小児科クリニックが休診の時に娘が気管支喘息の発作を起こし、小児科クリニックの隣の耳鼻科クリニックが開いていたので、そちらで診てもらいました。耳鼻科クリニックではこれまでに処方されたことがない種類の気管支拡張剤が処方されたのですが、いつも利用している薬局に処方箋を持って行き、薬を受け取りました。
初めて使用する薬だったので心配になり、インターネットでその薬を調べてみました。すると、処方された薬は成分の量が1mgの貼付薬だったのですが、0.5~3歳未満の子どもには0.5mgの貼付薬を使用すると書いてあったのです。
そこで薬局に電話をして、そのことを話すと、「じゃあ、半分に切って使ってください」と軽い感じで言われたのです。調剤ミスではなく医師の処方が間違っていたと分かったのですが、「簡単に、半分に切ってなどと済ませないでください」と抗議しました。すると急に態度を変えて謝罪はされたのですが、納得いきません。どうすればよいでしょうか。
回 答山口育子(COML)
そもそも処方箋を受け取った時に、薬局薬剤師が2歳8カ月の子どもには多い成分の量の貼付薬が処方されていると気付き、医師に疑義照会(処方されている医薬品に疑問がある際に直接、処方医に確認すること)するのが薬剤師の役割です。そこを見落とし、さらに母親からの連絡を受けて「半分に切って使ってください」と軽々しく言うのは、無責任な対応ではないかと思います。
薬剤師から処方した医師に疑義照会として問い合わせてもらい、0.5mgの貼付薬に変更する必要があるのであれば、正しい処方箋を交付してもらうように依頼してもらってはどうでしょうか。今後、同じ耳鼻科クリニックを利用する可能性があるのであれば、多い成分の量を処方したことを医師に自覚しておいてもらう必要があると思います。
認定NPO法人ささえあい医療人権センターCOML(コムル)
「賢い患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ
詳しくはCOMLホームページへ https://www.coml.gr.jp/
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〈月・水・金 10:00〜13:00、14:00〜17:00/土 10:00〜13:00〉
ただし、月曜日が祝日の場合は翌火曜日に振り替え
提供:健康保険組合連合会
放送:ラジオNIKKEI 第1 毎月第4金曜日 17:20~17:40
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