健康コラム

賢い患者になろう〜患者の悩み相談室〜 By COML vol.91

「賢い患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ「COML(コムル)」が、読者からの電話医療相談に丁寧に答えていきます。

【相談担当】
NPO法人ささえあい医療人権センター
COML(コムル) 山口 育子

転院したとたん面会が厳しく、母の認知症の進行が心配

相 談同居していた88歳の母が半年前に倒れ、救急車で病院に運ばれました。うっ血性心不全との診断でしたが幸い、命に別条はなく、2週間たった頃、「当院は急性期病院で治療は一段落したので次の病院に転院してください」と言われ、院内のソーシャルワーカーが候補に挙げてくれた病院に転院しました。その病院も2カ月ほどで転院の話が出て、3カ月前からは現在の療養病床がある病院に入院しています。

母は入院前に軽い認知症の症状が出ていたのですが、入院してからはそれが少し進んだように感じていました。入院生活中はどうしても刺激がなくなるので、私はできるだけ面会するようにし、母に話しかけたり、母に昔話をしてもらって聴いたりするなど、刺激を与えてきました。

ところが、療養型の病院に転院した途端、面会制限が厳しくなったのです。先月は入院患者に新型コロナ感染者が出たという理由で、一切面会禁止になってしまいました。母の病状は落ち着いているのに、会えないことで認知症が進むのではないかと不安でなりません。看護師に、「いつ面会できるようになるのですか?」と聞くと、「医師がいいと判断したら」と不明確な答えしか返ってきません。5類扱いになって1年以上がたつのに、おかしくないですか。

回 答山口育子(COML)

新型コロナ感染症が問題になった2020年からずっと届いている相談が、入院患者への面会制限に関係する内容です。特に5類扱いになって以降は、医療機関によって差が生じていて、何の制限もなくコロナ禍前と同様に自由に面会を許可している病院があるかと思えば、「1回15分の面会を週2回2名まで」などと厳しい条件を課している病院もあります。たとえ5類扱いになったとはいえ、入院患者に感染者が出ると隔離が必要になります。また病院としてはクラスターを発生させたくないのも当然の思いでしょう。ただ、家族としては直接会って状態を確認し、対話や触れ合いを希望するのは言うまでもない権利です。それだけに、直接面会が無理だとしても、せめてオンライン面会など代替案を考えてほしいと希望してはどうかと提案しました。

認定NPO法人ささえあい医療人権センターCOML(コムル)

「賢い患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ

詳しくはCOMLホームページへ https://www.coml.gr.jp/

電話医療相談:TEL 03-3830-0644
〈月・水・金 10:00〜13:00、14:00〜17:00/土 10:00〜13:00〉
ただし、月曜日が祝日の場合は翌火曜日に振り替え

提供:健康保険組合連合会 
放送:ラジオNIKKEI 第1 毎月第4金曜日 17:20~17:40
聴取可能アプリ:radiko、Apple Podcasts、Spotify

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