健康コラム

賢い患者になろう〜患者の悩み相談室〜 By COML vol.87

「賢い患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ「COML(コムル)」が、読者からの電話医療相談に丁寧に答えていきます。

【相談担当】
NPO法人ささえあい医療人権センター
COML(コムル) 山口 育子

同じ病気の友人より高い医療費 管理料の種類は変えてもらえる?

相 談私(59歳・男性)は、5年ぐらい前から高血圧症で近くの内科クリニックに通院しています。30日分の薬が処方されるので、月1回のペースで受診しています。若干の違いはありますが、毎回、2,500円前後の医療費を支払っています。

先日、高校時代の同窓会があり、旧友たちと楽しく飲みながら話し合ったのですが、昔話からやがて親の介護や自分たちの病気の話になりました。その中で、同じように高血圧症でクリニック通いをしているという友人が、「俺は特定疾患療養管理料という225点の慢性疾患の費用を請求されていて、1回の受診の医療費は1,500円ぐらい。君の費用が高いのは、きっと生活習慣病管理料という特定疾患療養管理料より高い費用を請求されているからだよ」と言われました。詳しくてびっくりしたのですが、受診する医療機関によって費用が異なることを知り、いろいろと調べたのだそうです。そこで聞いた話をメモして帰宅し、クリニックで発行されている領収書を見たところ、確かに生活習慣病管理料として620点という高い点数が請求されていることが分かりました。

できれば、私も特定疾患療養管理料にしてもらいたいのですが、これはクリニックの医師にお願いすればいいのでしょうか。

回 答山口育子(COML)

特定疾患療養管理料はいわゆる慢性疾患を主たる病名で受診している患者に対して、診療所と入院ベッドが200床未満の病院で請求されるものです。生活習慣病管理料も請求される医療機関は同じですが、対象となる疾患は脂質異常症、高血圧症、糖尿病の3種類で、どちらの菅理料を請求するかは、診療所や200床未満の病院に委ねられていて、患者は選べません。

ただ、2024年度の診療報酬改定で、6月以降は脂質異常症、高血圧症、糖尿病は特定疾患療養管理料を請求できなくなり、生活習慣病管理料に一本化されます(順に610点、660点、760点)。薬に関する点数は別途請求されますが、注射や検査に関する費用は包括化されています。注射や検査を包括しない場合は一律333点という低い点数が定められました。

認定NPO法人ささえあい医療人権センターCOML(コムル)

「賢い患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ

詳しくはCOMLホームページへ https://www.coml.gr.jp/

電話医療相談:TEL 03-3830-0644
〈月・水・金 10:00〜13:00、14:00〜17:00/土 10:00〜13:00〉
ただし、月曜日が祝日の場合は翌火曜日に振り替え

提供:健康保険組合連合会 
放送:ラジオNIKKEI 第1 毎月第4金曜日 17:20~17:40
聴取可能アプリ:radiko、Apple Podcasts、Spotify

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