健康コラム
賢い患者になろう〜患者の悩み相談室〜 By COML vol.83
「賢い患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ「COML(コムル)」が、読者からの電話医療相談に丁寧に答えていきます。
【相談担当】
NPO法人ささえあい医療人権センター
COML(コムル) 山口 育子
面会時間が合わない母の転院先 また病院を探すしかないですか?
相 談86歳の母が高熱を出し、呼吸が苦しいと言って動けなくなったらしく、救急車で大学病院に運ばれました。誤嚥(ごえん)性肺炎だと分かり、大学病院では「当院は高度先進医療を提供する急性期病院なので、誤嚥性肺炎の場合は別の病院に転院していただく必要があります」と言われたそうです。母は弟夫婦と同居しているので、弟がキーパーソンとなってさまざまな説明を受けています。ただ私も近くで暮らしているので、その大学病院の入院患者との面会ルールである1日30分までを最大限に生かして母と面会するようにしていました。
ところが、入院から2週間たって転院先が決まり、次の病院に転院したところ、その病院では面会は平日の午後2時から4時の間の15分に限定されていると分かりました。私は平日は仕事をしているので、午後の指定された2時間に面会するのは不可能なのです。それに医師から、母の年齢を考えると、この先回復する可能性はかなり低いと言われています。それならば、できるだけ家族や親戚にも会う機会を作りたいと思うのですが、その面会時間だととても実現する可能性はありません。
面会時間がもっと自由で、週末も可能な病院を探して転院するしか方法はないのでしょうか。
回 答山口育子(COML)
新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行したとはいえ、いまだに厳しい面会制限をしている病院は少なくありません。また、11~12月にかけてインフルエンザの感染者も急増したことを受け、再び制限を厳しくした医療機関もあるようです。コロナ禍で入院患者への厳しい面会制限を受けて、せめて家族でみとりたいと、終末期において在宅医療を選ぶ家族も増えたようです。例えば、現段階で自宅で見るという可能性を探るのも一つの方法かもしれません。まずは担当医に現在の病状で在宅医療に移行する可能性を確認し、家族で在宅医療の実現について話し合ってみてはいかがでしょうか。それが無理であれば、現在の病院でもう少し緩やかな面会制限にならないかを確認し、認められないなら転院先を検討してみてはどうでしょうか。
認定NPO法人ささえあい医療人権センターCOML(コムル)
「賢い患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ
詳しくはCOMLホームページへ https://www.coml.gr.jp/
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〈月・水・金 10:00〜13:00、14:00〜17:00/土 10:00〜13:00〉
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