健康コラム

賢い患者になろう〜患者の悩み相談室〜 By COML vol.79

「賢い患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ「COML(コムル)」が、読者からの電話医療相談に丁寧に答えていきます。

【相談担当】
NPO法人ささえあい医療人権センター
COML(コムル) 山口 育子

電話での相談に費用請求!? 病院には「常識」でも納得できない

相 談私(52歳・女性)は疲労感で受診したところ、医師が「ホルモンが関係しているかもしれない」と、コルチゾール系のステロイド剤微量を調整して処方されました。ところが服用後、疲れが取れるどころか苦しくなり、頭と身体が分離したような状態になったのです。まるで頭がどこかに行ってしまったような感覚になり、歩けなくなって恐怖を覚えました。何とか外出先から帰宅しましたが、睡眠導入剤も効かない状態になってしまいました。

そこで病院に電話で照会したところ、随分待たされた後に医師が電話に出て、直接やりとりをして対処方法を指示されました。ところが今日受診すると、先日の電話での相談の費用を請求されたのです。費用が発生するなんて説明を受けていないと言うと、「これは医療では当たり前のことです」と言われました。その言い方に「常識も知らないの?」と見下された印象を受け、非常に腹立たしい気分になりました。

薬のことだから薬局薬剤師に相談すればよかったのかもしれませんが、これまで数回相談したときに、いつも「それは先生に聞いてください」と言われてきたので、できるだけすぐに答えがほしくて病院に電話をしました。病院の人にとっては常識かもしれませんが、納得できません。

回 答山口育子(COML)

電話で問い合わせたときに医師が電話口に出て対応すると、次回受診の際に「電話再診」として再診料が請求できることになっています。診療所や200床未満の病院に再診で受診し、特別な検査や手術、処置などを受けない場合は、再診料に外来管理加算を加えて請求されるケースがありますが、電話再診の場合、外来管理加算は請求できないことになっています。

ただ、そのような診療報酬の仕組みは一般的に“常識”とはいえず、あらかじめ知識を持っている患者は多くありません。それだけに、電話対応した職員が医師に代わる際に「診察扱いになるので、次回受診の際に費用をいただきます」と一言断るのが理想的ですが、実際には残念ながら丁寧な説明をされていない現状があるのは確かです。

認定NPO法人ささえあい医療人権センターCOML(コムル)

「賢い患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ

詳しくはCOMLホームページへ https://www.coml.gr.jp/

電話医療相談:TEL 03-3830-0644
〈月・水・金 10:00〜13:00、14:00〜17:00/土 10:00〜13:00〉
ただし、月曜日が祝日の場合は翌火曜日に振り替え

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