健康コラム

賢い患者になろう〜患者の悩み相談室〜 By COML vol.77

「賢い患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ「COML(コムル)」が、読者からの電話医療相談に丁寧に答えていきます。

【相談担当】
NPO法人ささえあい医療人権センター
COML(コムル) 山口 育子

紹介状のない初診で高額な負担! この高額な負担は何ですか?

相 談私(42歳・女性)は以前から生理痛がひどく、出血量も多いので気になっていました。そこで2年前に婦人科クリニックを受診したところ、子宮筋腫があり、それが原因で痛みや出血量が多いだけでなく、貧血にもなっていると分かりました。症状を改善するには手術が必要だと言われたのですが、その直後に転勤になったため自宅も引っ越し、継続して受診することができませんでした。

転勤後はとても忙しく、気になりながらも受診できていませんでした。先日、ようやく半日休みが取れたので、手術を念頭において、インターネットで調べた地域の中核的な病院の婦人科を受診することにしました。

病院の初診受付に行くと、事務の人から「紹介状はお持ちですか?」と聞かれたので、「引っ越して以前かかっていたクリニックは遠くなったので、紹介状はお願いできませんでした」と言うと、「紹介状のない方は、当院では診療費とは別に11,000円頂いています」と言われてびっくりしました。それに、予約の人を優先的に診察するので、予約がないと待ち時間も数時間に及ぶと言われたのです。午前中しか休みを取っていなかったので、その日の受診は諦めました。改めて予約を取るとしても、11,000円の費用がかかることが納得できません。何の費用なのでしょうか。

回 答山口育子(COML)

症状が落ち着いているときは診療所や地域に密着した小規模な病院にかかり、専門的・積極的な治療が必要になったら大きな病院を紹介してもらうという“医療機能の分化”が促進されています。そのため1996年から、200床以上の病院に紹介状を持たず初診で受診すると、病院が定めた特別料金を請求できるようになりました。2016年には高度先進医療を提供する大学病院本院などの特定機能病院と地域の中核的な医療を担う地域医療支援病院では特別料金の最低額が定められ、2022年10月からは初診の最低額が7,000円になっています。相談者が受診を試みた病院のように11,000円といったそれ以上の金額設定も可能で、病院が独自に定めることができます。それだけに、大きな病院に初めて受診するときは注意が必要です。

認定NPO法人ささえあい医療人権センターCOML(コムル)

「賢い患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ

詳しくはCOMLホームページへ https://www.coml.gr.jp/

電話医療相談:TEL 03-3830-0644
〈月・水・金 10:00〜13:00、14:00〜17:00/土 10:00〜13:00〉
ただし、月曜日が祝日の場合は翌火曜日に振り替え

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