賢い患者になろう〜患者の悩み相談室〜 By COML vol.68

「賢い患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ「COML（コムル）」が、読者からの電話医療相談に丁寧に答えていきます。

【相談担当】
NPO法人ささえあい医療人権センター
COML（コムル）　山口 育子

医師の診察を受けないと紹介状は書いてもらえない！？

相 談私（42歳・女性）は5年前に難病であることが分かり、紹介された大学病院に通院しています。2年前に現在の担当医になったのですが、その担当医にも病院の体制にも疑問を感じることがあり、このままかかり続けていていいものかと迷いが生じていました。

すると先日、担当医から電話がかかってきて「来月いっぱいで異動することになりました。当院でこのまま経過観察するのであれば、次回から別の医師が担当します。ただ、あなたの場合、数値も落ち着いているから、大学病院でなくても対応してもらえると思います」と言われたのです。電話を切って、しばらく考えてみたのですが、これは転院のチャンスではないかと思いました。

そこで病院に電話をかけて担当医からの電話の件を話し、「別の病院に転院することにしますので、紹介状を書いていただきたいのですが」とお願いしました。すると対応してくれた看護師が「診察を受けて、そのときに先生に紹介状をお願いしてください」と言うのです。

以前、診断書を発行してもらったときは、診察を受けずに専用の窓口で診断書を受け取りました。同じように紹介状だけ出してもらいたいのに、なぜわざわざ診察を受けないといけないのでしょうか。納得いきません。

回 答山口育子（ＣＯＭＬ）

診断書の費用は保険外の実費で請求されますので、患者が単独で医療機関から受け取ることは可能です。ちなみに、その費用は医療機関が独自に決めることができます。

ところが紹介状は正式には「診療情報提供書」と呼ばれ、診療報酬点数として「診療情報提供料」が定められています。そのため、診療情報提供料だけが単独で請求されることはなく、きちんと診療を受けた一環の医学管理として算定されます。つまり、基本料金である初診料や再診料（200床以上の病院の場合は「外来診療料」）は最低限発生し、診察室での医師とのやりとりを経た上で、紹介状を発行することになり、加えて診療情報提供料が請求されるのです。

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