健康コラム

賢い患者になろう〜患者の悩み相談室〜 By COML vol.65

「賢い患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ「COML(コムル)」が、読者からの電話医療相談に丁寧に答えていきます。

【相談担当】
NPO法人ささえあい医療人権センター
COML(コムル) 山口 育子

毎月の通院が負担 リフィル処方箋を利用したい

相 談私(48歳・男性)は5年ほど前に糖尿病と診断され、内服薬を処方されて服用しています。近くのクリニックで受診しているのですが、医師からは月に1回定期的に受診するようにいわれています。私はコンビニの店長を務めており、受診の予定をしていても、急にアルバイトのスタッフが休んだりすると私が出勤しなければならず、月1回の受診は結構大変なのです。

先日、そのような愚痴を友人にこぼしたところ、「今年の4月から何度も使えるリフィル処方箋というのが始まった。それにしてもらったら、月に1回受診しなくても済むんじゃないか」と言われました。

その直後、薬局に処方箋を持って行く機会があったので、薬剤師に「何度も使えるリフィル処方箋を利用するには、どうすればいいのですか?」と聞いてみました。すると「かかりつけ医にお願いすればいいですよ」とアドバイスを受けたのです。

そこで昨日、定期受診した際に「何度も使えるリフィル処方箋をお願いします」と医師に頼んだところ、「当院ではリフィル処方箋は認めていない。あなたはヘモグロビンA1cも不安定だから、月1回はきちんと受診してください」と言われたのです。便利な仕組みが使えないなんて釈然としないのですが。

回 答山口育子(COML)

確かに2022年4月の診療報酬改定でリフィル処方箋が導入されました。しかし「何度も使える」わけではなく、使用回数の上限は3回です。リフィル処方箋が発行できるのは、医師が患者の病状などを踏まえて、2回目と3回目は診察しなくても同じ薬を同じ量で出しても問題ないと判断した場合です。そのときは医師が処方箋の「リフィル可」という欄にチェックを入れて、1回当たりの投薬期間と総投薬期間を指示するので、それを確認した薬局の薬剤師が2回目と3回目の薬の受け取り日の目安を伝えてくれます。そのため、2回目と3回目は同じ薬局を利用することが奨励されています。4月に始まったリフィル処方箋ですが、実際に発行されている件数はまだかなり少ないようです。診察なしで投薬することへの医師の拒否感が強いのだと思います。

認定NPO法人ささえあい医療人権センターCOML(コムル)

「賢い患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ

詳しくはCOMLホームページへ https://www.coml.gr.jp/

電話医療相談:TEL 03-3830-0644
〈月・水・金 10:00〜13:00、14:00〜17:00/土 10:00〜13:00〉
ただし、月曜日が祝日の場合は翌火曜日に振り替え

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