健康コラム
賢い患者になろう〜患者の悩み相談室〜 By COML vol.30
「賢い患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ「COML(コムル)」が、読者からの電話医療相談に丁寧に答えていきます。
【相談担当】
NPO法人ささえあい医療人権センター
COML(コムル) 山口 育子
コミュニケーションギャップによるトラブル
相 談夫(48歳)は昨年、睡眠時無呼吸症候群と判明しました。1時間当たり40回も呼吸が止まっていたようです。そのためCPAP(シーパップ)療法といって、寝るときに機械からチューブや鼻マスクで空気を送り込み、気道が塞がるのを防ぐ治療を始めたのですが、もともと気管が細いせいか途中で苦しくなったり、頭痛で夜中に目が覚めてしまったりするのです。
そこで、手術を受けようと大学病院に転院し、担当になった若い医師が手術日を仮押さえしてくれました。ところが次に受診した際に、教授が同席していて「もう治らないから手術はやりません」と一方的に言われてしまったのです。
インターネットで調べた情報では、この手術は病気を根本的に治すためではなく、鼻の通りをよくしてCPAPをうまく使えるようにするためと書かれていました。手術の仮押さえをしたときには、若い医師に手術は治癒目的ではないと確認しました。それなのに教授の言い方だと根本的な治癒を目指す手術をイメージされているようなのです。さらに「興味が持てる病態ならば手術をするが、あなたの手術はしない」と強い口調で言われました。こちらが質問しようとすると、かぶせるように話をしてきて、会話にならないのです。どうすればいいのでしょうか。
コメント山口育子(COML)
医療者間の認識の共有の問題なのか、患者と医療者間でどこかにボタンのかけ違いがあるのか明確ではありませんが、明らかに何らかのコミュニケーションギャップが起きていると思います。若手の医師も教授が主導権を握って話をしている中では、おそらく何も言うことはできなかったのでしょう。それだけに、改めて若手の医師の外来を受診したとしても、教授と異なる説明をしてもらえる可能性は少ないと思われます。
そこで、大学病院の受診した外来窓口か院内の相談窓口で事情を話し、その大学病院で行っている睡眠時無呼吸症候群の手術の内容の確認や、手術を断られた理由について説明を受けたいと申し出てみてはいかがでしょうか。まずは客観的に両者の話を聞いて問題整理をしてもらう必要性を感じました。
NPO法人ささえあい医療人権センターCOML(コムル)
「賢い患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ
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