健康コラム
賢い患者になろう〜患者の悩み相談室〜 By COML vol.24
「賢い患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ「COML(コムル)」が、読者からの電話医療相談に丁寧に答えていきます。
【相談担当】
NPO法人ささえあい医療人権センター
COML(コムル) 山口 育子
胸部CT画像の診断に不安がある
相 談私(72歳・女性)は15年ほど前からコレステロールの値が高いと指摘され、近くのかかりつけのクリニックを定期的に受診し、薬を処方してもらっています。
1年前、食べる量は減っていないはずなのに体重が落ちてきたので気になり、かかりつけ医に相談しました。すると病院を紹介され、血液検査とCT検査を受けることになりました。その結果、胸部CTの画像で小さな淡い影があると指摘されたのです。それにより腫瘍マーカーの血液検査が追加されたのですが、値が検査をするたびに少しずつ高くなってきています。CTは、その後、2回撮りましたが、影に変化はありません。
主治医からは3カ月後に血液検査をすると言われていますが、小さな影があるのになかなか診断がつかないので心配です。もし肺がんなら早く治療してもらいたいので、より詳しい検査方法はないのか聞いてみました。すると「この段階で詳しい検査となるとPET(陽電子放射断層撮影)ですが、あなたの場合は保険が適用になりません」と言われてしまいました。現在、PET検査を受けるかどうか迷っているのですが、その前に電話で相談を受けてもらえる専門医はいませんか? これまでの腫瘍マーカーの値やCTの影の大きさなどから、診断をお願いしたいのです。
コメント山口育子(COML)
たとえ専門医であっても、電話で患者さんから情報を聞いただけで病気の診断をすることはできません。問診と診察、血液検査、画像などを総合して判断する必要があるからです。それに腫瘍マーカーは1つの指標であって、それだけで病気を判断できるものではありませんし、どれくらいの値だと悪性が疑われるのかも種類によって異なります。また、少しずつ上がってきている値も、がんが疑われる上昇の状態なのかどうかという数字の“読み方”を確認する必要があります。PET検査も、受ければ必ず診断がつくとは限りません。
おそらく、今の状態だと明らかに肺がんと診断がつくレベルではないので、経過観察をしているのだと思います。そのあたりの主治医の判断基準について、もう少し詳しく説明を求めてみてはいかがでしょうか。
NPO法人ささえあい医療人権センターCOML(コムル)
「賢い患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ
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