健康コラム
賢い患者になろう〜電話医療相談の現場から〜 By COML vol.99
「賢い患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ「COML(コムル)」が、読者からの電話医療相談に丁寧に答えていきます。
【相談担当】
NPO法人ささえあい医療人権センター
COML(コムル) 山口 育子
薬に対する不安
相 談私(60歳・男性)は、20代後半にうつ病になり、抗うつ剤と向精神薬を処方されて症状のコントロールをしていました。ところが、40歳のときに交通事故に遭い、脳挫傷で3週間意識不明の状態が続いたのです。
なんとか持ち直し、3カ月で退院することができました。ところが、入院中ずっと薬を服用することができませんでした。そればかりか、退院後もしばらくリハビリなどに専念しないといけなかったので、結局、半年間薬を絶つ結果になってしまいました。その結果、耳鳴りが続き、不安感が高まったのです。どの病院に行っても「薬のコントロールが難しい」と言われたため、病院を転々としました。ようやくある大学病院で合う薬を見つけてもらうことができ、耳鳴りも不安感も治まりました。それから約20年、その薬の量は増え続けています。
3カ月ほど前、薬を飲み続けることが怖くなって、自分の判断で1カ月半薬を絶ちました。すると3週間後ぐらいから、さまざまな症状が出始めたのです。ドクターに正直に打ち明けると、「急にやめるとそうなるんですよ」と言われ、新たな薬が出されました。でも、やはり不安で薬が飲めないのですが…。
コメント山口育子(COML)
薬の量がどんどん増えてくると、「こんなに飲み続けて大丈夫だろうか」「薬が原因で内臓が悪くならないだろうか」と不安になり、自己判断で薬をやめてしまう方がいます。しかし、薬のなかには、突然絶つと危険な薬もあります。それだけに、まずは薬に対する不安を正直にドクターに伝え、相談することが大切だと思います。
新たな薬が出たことも不安で飲めない、とのご相談でしたが、飲まないことで症状が悪化し、さらに強い薬でないと対処できないほうが危険です。それだけに、新たな薬にも不安があることをドクターに伝え、どのような薬なのか、いつまで飲み続ける予定なのか。さらには、症状が改善すれば薬の量を減らしたり、効き目の弱い薬に変更したりすることが可能なのかといったことを確認して薬への不安を少しでも減らす努力をしてみてはどうかとアドバイスしました。
NPO法人ささえあい医療人権センターCOML(コムル)
「賢い患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ
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