健康コラム
賢い患者になろう〜電話医療相談の現場から〜 By COML vol.95
「賢い患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ「COML(コムル)」が、読者からの電話医療相談に丁寧に答えていきます。
【相談担当】
NPO法人ささえあい医療人権センター
COML(コムル) 山口 育子
副作用に不安があります
相 談私(67歳・女性)は約10年前から高血圧症と脂質異常症で、近くの内科医院に通院しています。最初のうちは食事や運動療法で様子をみていたのですが、なかなかコントロールができず、5年ほど前から薬を飲むようになりました。
先日も月1回の受診をしたところ、私が自宅でつけている血圧のグラフを見て、「きちんと薬を飲んでいますか?」と聞かれました。たまに飲み忘れはありますが、ほぼ決められた通りに飲んでいると答えると、先生から「薬を飲んでこの血圧だと、コントロールできているとは言えませんね。血液検査の結果、脂質異常症も悪化しているし、両方の薬を1種類ずつ増やしましょう」と言われたのです。
私は知人が「高血圧や脂質異常を改善する薬には怖い副作用が出るものもあるらしい」と言っていたのを思い出し、新しく出された薬がそれだったらどうしようと不安になりました。そこで先生に、「その薬には恐ろしい副作用の可能性はないですか?」と聞くと、「大丈夫」とひと言で済まされてしまったのです。その先生は副作用を尋ねると、いつも具体的に説明してくれません。どうすれば質問に答えてもらえるのでしょう?
コメント山口育子(COML)
副作用がない薬はないので、添付文書などの資料を見れば、副作用として必ず複数の症状があげられています。しかし、副作用が出るかどうかは個人差があるため、実際に服用してみないとわかりません。それだけに、多くの患者さんにとって、副作用は気になる問題なのだと思います。
副作用を医師に尋ねたときに、この方のように漠然と「大丈夫」「心配はない」と言われたという相談は少なくありません。その原因を考えてみると、患者さんの副作用への不安が医師に伝わり、「伝えると飲まなくなるのではないか」と考えてしまうからではないかと思います。できれば、少し質問の仕方を工夫し、「その薬を飲んだ後、気をつけないといけない症状はなんですか?」と聞いてみてはどうでしょうか。飲むことを前提にした質問なら、医師も答えやすいのではないかと思います。
NPO法人ささえあい医療人権センターCOML(コムル)
「賢い患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ
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