健康コラム
賢い患者になろう〜電話医療相談の現場から〜 By COML vol.119
「賢い患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ「COML(コムル)」が、読者からの電話医療相談に丁寧に答えていきます。
【相談担当】
NPO法人ささえあい医療人権センター
COML(コムル) 山口 育子
子どもへの薬治療が不安です
相 談5歳の娘が10カ月ぐらい前から、ひじや太もも、膝の裏が赤く腫れ、かゆみを訴えるようになりました。近くの病院の皮膚科を受診したところ、毎日塗る保湿剤と、とくにかゆみがひどいときに塗るステロイド剤が処方されました。言われた通り薬を塗っていたのですが、一向によくなりません。ところが、幼稚園が夏休みに入ってしばらくすると、症状が治まったのです。薬が効いたのだと思っていたら、夏休みが終わって幼稚園が始まると、再び症状が出て、悪化していきました。
そこで2週間前、同じ皮膚科の別の医師に相談したところ、「ストレス性の慢性じんましんの可能性がありますね」と言われ、抗アレルギー剤の内服薬が2週間分処方されました。そして昨日、再び受診すると、さらに2週間分の同じ抗アレルギー剤が出されました。
この薬を飲み始めてから、確かに娘の症状はよくなってきています。でも、以前より眠そうにしていることが増えていて、副作用ではないかと心配なのです。4週間飲み続けるだけでも不安でいっぱいなのに、このままだとずっと飲み続けることになるのではないかと考えると……。ストレス性の慢性じんましんなのに、薬に頼る治療でいいのでしょうか。
コメント山口育子(COML)
確かに、5歳の小さな子どもには、薬はできるだけ最小限にとどめたいと思うのが親の気持ちでしょう。まして「ストレス性」の可能性が高いとなれば、まずはそのストレスが何かを明らかにしなければ、根本的な解決に至らないように思います。
そこで、まずは抗アレルギー剤について医師にどれぐらいの期間処方する考えなのか、どういう状態になれば薬を止めていいと考えているのかを確認してみてはどうかと思います。それに、抗アレルギー剤の幼児への投与や副作用については、薬局の薬剤師に相談することもできます。
また、幼稚園の教諭にも夏休みは症状が軽快したこと、皮膚科でストレス性の可能性があると言われたことを伝え、何がストレスの原因になっていると考えられるか話し合ってみてはいかがでしょう。そのうえで、小児科医に相談するのも一つの方法だと思います。
NPO法人ささえあい医療人権センターCOML(コムル)
「賢い患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ
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