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健保ニュース 2025年4月中旬号

支払基金のレセプト審査業務
福岡厚労相 不適切行為に「遺憾」表明

福岡資麿厚生労働相は、2日の衆院厚労委員会(藤丸敏委員長)で、社会保険診療報酬支払基金のレセプト審査業務で自動遷移ツールを使用した不適切行為があったことに対し、「支払基金を監督する立場である厚労省としても大変遺憾に感じている」との見解を示し、「同様の事案が二度と発生しないよう再発防止策が確実に講じられているか、しっかりと重視していく」との考えを示した。長谷川嘉一氏(立憲民主党)の質問への答弁。

長谷川氏は、支払基金のレセプト審査業務で自動遷移ツールを使用した不適切な行為があったと問題提起した。「自動遷移ツールは、画面が1秒で変わる仕様だった」として、「一部のレセプトは目視確認できていなかったのではないか」と質した。

これに対し、鹿沼均保険局長は、「コンピュータチェックで問題がないものは、短時間でチェックして流す一方、必要な場合にはしっかりと目視確認するのが通常の運用」としつつ、「問題となった自動遷移ツールは、重点的な確認が必要なレセプトにもかかわらず、エラーがないかの確認だけを行い、そのまま自動的に流れていくという形式だった」と事実を認めた。

長谷川氏は、「自動遷移ツールは2年前から使用されていたにもかかわらず、支払基金本部が実態を把握できていなかったこと、それこそが問題ではないか」と提起した。

鹿沼保険局長は、「そういったことは否定できない」と認めたうえで、事案が発生した原因の確認と再発防止を徹底することが重要との考えを示し、支払基金の理事会で再発防止策が示され、現在は各種の取り組みが進められていることを報告した。

これを受けて長谷川氏は、「再発防止は当然だ」と断じた。支払基金の理事長には厚労省退官者が選任されていると指摘し、「身内意識が働いて適切な指導監督ができていなかったのではないか」と問題視。そのうえで、「国民の重要な財産である健康保険制度の信用と信頼、健全な運用は患者のみならず、保険者、医療機関にとっても非常に重要な問題だ」と述べ、政府の見解を質した。

福岡厚労相は、「支払基金で自動遷移ツールを作成または使用していた事案については、関係者はすでに処分されているが、支払基金を監督する立場である厚労省としても大変遺憾に感じている」と応じた。さらに、「厚労省としても同様の事案が二度と発生しないよう再発防止策が確実に講じられているか、しっかりと重視していく」との考えを示した。

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