健保ニュース
健保ニュース 2025年3月中旬号
支払基金・7年度事業計画
決算剰余金の還元方法を検討
社会保険診療報酬支払基金(神田裕二理事長)は2月27日の記者会見で、令和7年度事業計画を発表した。
支払基金は、7年度事業計画の基本方針として、①医療DXと審査支払をともに支える組織基盤の強化②医療DX推進計画~抜本改組への的確な対応と医療DXの強力な推進~③審査の充実に関する計画~審査事務に関する信頼回復と審査実績の向上基調の堅持~─を掲げた。
①は、支払基金を審査支払機能に加え、医療DXに関するシステムの開発運用主体の母体とし、抜本的に改組することを含む法案の提出を受け、医療DXと審査支払の両方を担う組織体制の基盤を強化。
審査支払業務のさらなる効率化を進め、そこから生み出される人的資源を医療DXへ振り向けるなど、医療DXと審査支払を緊密に連携させ、相乗効果を引き出しながら、両方の業務を支える基盤を整備するとした。
また、中期財政運営方策として、決算剰余金の還元方法の妥当性や処理コストに応じた新たな手数料体系について、検討を進める。
②は、医療DX関連の取り組みについて、法案に沿った一元的かつ迅速な意思決定を可能とする組織体制、データヘルス部門の人材育成、本部事務所移転等、各種準備を推進するほか、保険者協議会への参画等による国民の保健医療の向上や効率的な医療提供体制の構築に寄与するとした。
③は、昨年11月に発覚した自動遷移ツール事案を踏まえ、審査事務に関する信頼回復に向け取り組む。
審査の目標の趣旨に関する職員の理解の徹底、システム運用上の対策、情報セキュリティおよびコンプライアンス意識の徹底等、再発防止に万全を期すほか、再発防止策を踏まえた取り組みの実施状況について、内部監査およびブロックにおける内部統制において重点的チェックを実施。
他方、5年度以降の審査実績の向上基調を堅持するため、審査の目標の趣旨が職員に正しく理解されるよう、本部から統一的に説明したうえで、地方組織で説明内容の理解度を把握し、フォローアップを行うとした。