健保ニュース
健保ニュース 2025年3月中旬号
連合が医療法等改正案に見解
医師手当増額財源 保険料充当の修正求める
日本労働組合総連合会(芳野友子会長)は7日、記者会見を開き、第217通常国会で審議される「医療法等の一部を改正する法律案」および年金制度改正に対する連合としての課題認識を示した。
「医療法等改正案」は、医師偏在是正に向けた総合的な対策として、保険者からの拠出による「重点的に医師を確保すべき区域」の医師の手当の支給に関する事業を設けるほか、外来医師過多区域の無床診療所への対応を強化(新規開設の事前届出制、要請勧告公表、保険医療機関の指定期間の短縮等)する内容。
これに対し、連合の佐保昌一総合政策推進局長は、「医師不足地域における医師への手当増額には反対ではない」との認識を示したうえで、「保険給付との関連性が乏しい施策の財源に保険料を充てることは問題であり、修正すべき」とコメント。
合わせて、「規制的手法の導入は一歩前進と評価」する一方、「実効性の確保とともに、地域間だけでなく、診療科間の偏在を含め、さらなる規制的手法を検討すべき」との考えを示した。
同じく、「医療法等改正案」に盛り込まれた医療DXの推進については、「電子カルテ情報共有システムの運用費用は患者・被保険者も一定負担することとされている」として、「今後の検討プロセスを明確にすべき」と指摘。また、社会保険診療報酬支払基金の改組にあたり、引き続き適切な審査支払機能を果たせるよう、運営体制の確保が必要とした。
年金制度改正法案については、「今通常国会に提出し、しっかり議論してほしい」と述べたうえで、被用者保険の適用拡大や、いわゆる「年収の壁への対応」に関し、「企業規模要件(従業員50人超)と既存の個人事業所(5人以上)の非適用業種について、2030年の次期制度改正までの間での撤廃・解消を求める」とコメントした。