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健保ニュース 2025年3月中旬号

健保連東京連合会・第204回総会
米川会長 健保組合の役割を訴求
加入者、事業主と協働し主張

健保連東京連合会は2月28日、東京都新宿区で第204回総会を開催し、令和7年度事業計画・収入支出予算など3議案を原案通り承認した。冒頭あいさつした米川孝会長は、現在の健保組合の役割について、「自分達がありたいと思う姿と違う形で動いているような懸念を感じている」と指摘。健保組合の拠り所となる加入者、事業主の後押しを得て、国民、国、医療機関、経済界に対し、社会保障の負担や制度の在り方を堂々と主張していく考えを示した。総会では健保連の佐野雅宏会長代理が最近の情勢として、▽医療保険制度改革の動向▽マイナ保険証の実施に向けた取り組み▽「ポスト2025」健保組合の提言・策定状況─を報告した。(米川会長の発言要旨は次のとおり。)




健保組合は、被保険者、加入者の健康を守ることを主たる役割とし、健康を損ねた時には経済的な支援を行っている。

また、高齢者医療への支援金を中心とする社会保障への貢献という役割も果たしている。
 このことは、われわれのなかでは自明なことだが、どの健保組合も規約には明記していない。

事業主、被保険者、加入者に対して、健保組合の行っている業務に関する役割の説明や、健保組合が社会保険を支えている立場だということはあまり伝えていないと思う。

今年は、「ポスト2025」健保組合の提言ということで、現在、とりまとめの作業を行っている。東京連合会のメンバーも参画して、都合13回程度ミーティングを実施した。

最初は、誰に提言を行うのかということが課題となった。国や経済界、労働界など訴える対象は様々だが、まずその前に自分達の拠って立つ被保険者、事業主に適切な情報として伝える必要があるという議論を行い、加入者、国民への広告やアンケートで意見の集約を試みた。

その結果を受け、現在、最終作業として提言をまとめている。事業主、加入者の理解がほとんど進んでいないなか、医療DXへの支援、子ども・子育てへの支援、医師偏在対策についての協力など、高齢者医療への支援と同じような考え、枠組みが広がってきている。

健保組合は公法人であるので、社会保障を支える立場として貢献するのはやぶさかではないと思うが、われわれの本来業務、役割を適切に事業主、被保険者に伝え、その了解を得る必要があると強く感じる。

もう1つ懸念しているのは、こういった支援により、われわれの財政状況が切迫していくなか、潤沢な資金を持っている健保組合とギリギリの運営を強いられている健保組合が一律の考えで対応していけるのかということだ。

日本でいう健保組合にあたるドイツの疾病金庫はかつて1200か所あったが、現在は100にも満たない。

何故かというと、1990年代に枠組みを変えて、被保険者が疾病金庫を自由に選択できるようになったからだ。

ドイツと日本では歴史や法律構成が違うので、一律に同じとは言えないが、被保険者は仕事が同じであるならば、保険料率が低く、サービスの良い健保組合を選択することになるだろう。

自分が所属する会社で働き、健保組合に加入できることが自分にとってプラスであると被保険者に感じてもらえるような流れが一番奇麗だと思う。

そういうなかで現在のわれわれの役割というものについて、自分達がありたいと思う姿と違う形で動いているような懸念を感じており、われわれの拠って立つところである加入者、事業主の後押しを得て、国民、国、医療機関、経済界に対して社会保障の負担や制度の在り方を堂々と主張していきたいと考えている。

本日は令和7年度東京連合会の事業計画や収入支出予算を中心に審議いただくが、私が常々申し上げている「風通しの良い東京連合会」、「行動する東京連合会」のキャッチフレーズの通り、各方面会の活動を中心に皆さんの活動を全力でバックアップするつもりで作成している。

引き続き、ご協力・ご支援をお願いして私からのあいさつとする。

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