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健保ニュース 2025年3月中旬号

OTC類似薬の保険給付のあり方
石破首相 3党合意を踏まえ検討

石破茂首相は6日の参院予算委員会(鶴保庸介委員長)で、「OTC類似薬の保険給付のあり方を見直すにあたり、負担のバランスを考えることが極めて大事な課題」との認識を示したうえで、2月25日の自民・公明両党と日本維新の会による3党合意を踏まえて検討し、政府として必要な情報提供を行う意向を表明した。猪瀬直樹氏(日本維新の会)への答弁。

猪瀬氏は、いわゆるOTC類似薬は7千種類あり、この見直しで1兆円の薬剤費を削減できると見通した。

「薬剤師が患者に知識を伝えれば、処方箋がなくても医療用医薬品を買える薬局がある」と紹介。そのうえで、「働いている人はなかなか医療機関を受診できず、こうした薬局があると非常に助かる一方、高齢者が病院でなんとなく湿布薬をもらってくると保険が適用される」と指摘し、3党の協議体を設置して無駄を省くための対策を進めていくことについて質した。

福岡資麿厚生労働大臣は、「いわゆるOTC類似薬は、あくまでも医療用医薬品」と説明。
 医師等専門家の判断の下での使用が求められるが、緊急時のやむを得ない場合には、医師の処方箋がなくても薬剤師と相談したうえで必要最小限の数量を薬局で購入できるとし、「販売はドラッグストア等の判断」と述べた。

石破首相は、「解熱鎮痛剤や胃腸薬など市販されているOTC類似薬、OTC医薬品と効能効果が同じ医療用医薬品については、保険給付のあり方を見直すにあたり、負担のバランスを考えることが極めて大事な課題」との認識を示した。

「患者が必要な医療にアクセスできることを確保しながら、制度の持続可能性をどのように見出していくか、本音の議論をしないと医療保険制度自体が瓦解する」と指摘。「3党合意を踏まえて検討し、政府として必要な情報提供は包み隠さず行う」との意向を表明した。

猪瀬氏は、「ユーザー側の立場に立たず、圧力団体や役所の都合などによる過去の政策のツケが回ってきている」と問題提起。「医療費を削減し、若い人の保険料負担を減らすために協議体を作る」との考えを示し、協議体ではファクトとロジックにもとづく中身のある議論を行うべきではないかと質した。

石破首相は、「協議体はそうあるべき」と応じ、「患者の権利と医療機関、保険財政が今後も持続可能であること、この3つをいかにして実現するか、協議体の議論に多くの責任がある」との考えを示した。

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