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健保ニュース 2025年3月上旬号

現役世代の保険料負担軽減など
自民・公明・維新の会が合意
OTC類似薬保険見直し等 年末の予算編成過程で検討

自民・公明両党と日本維新の会は2月25日、党首会談を行い、現役世代の保険料負担を含む国民負担の軽減や働き控えの解消、教育無償化等を盛り込んだ合意文書に調印した。

会談には、石破茂首相、斉藤鉄夫代表、吉村洋文代表、前原誠司共同代表のほか、各党の幹事長、政務調査会長が出席し、合意文書に署名。合意後も引き続き、自民党、公明党、日本維新の会の3党の枠組みで、合意事項の実現に責任と誠意をもって取り組む方針を示した。

合意事項は、①教育無償化②現役世代の保険料負担を含む国民負担の軽減③働き控えの解消④教育無償化に関する論点等─を柱とし、①~④を前提に、令和7年度予算および税制改正法について、所要の修正を行ったうえで年度内の早期に成立させると明記。

8年度以降の措置については、「骨太方針2025」に記載し、令和8年度以降の予算に反映させるほか、記載のない共通理解について、国会における政府答弁によって可能な限り確認を行う対応を盛り込んだ。

②は、社会保障改革による国民負担の軽減を実現するため、主要な政策決定が可能なレベルの代表者によって構成される3党の協議体を設置。

現役世代の増加する保険料負担を含む国民負担を軽減するための具体策である▽OTC類似薬の保険給付のあり方の見直し▽現役世代に負担が偏りがちな構造の見直しによる応能負担の徹底▽医療DXを通じた効率的で質の高い医療の実現▽医療介護産業の成長産業化─について、7年末までの予算編成過程(診療報酬改定を含む)で論点の十分な検討を行い、早期に実現が可能な政策を8年度から実行に移すとした。

検討に当たっては、▽政府与党として、5年12月22日に「全世代型社会保障構築をめざす改革の道筋(改革工程)」等を決定し、2023年度から2028年度にかけて、歳出改革等によって実質的な社会保険負担軽減の効果を1.0兆円程度生じさせる▽公明党として、令和6年9月20日に「公明党2040ビジョン(中間とりまとめ)」を公表し、生活習慣病等の予防・重症化予防、健康づくりの推進、がん検診等の充実による早期発見・早期治療、多剤重複投薬対策や重複検査対策などを進めることで医療費適正化の効果も得られる▽日本維新の会として、令和7年2月20日に「社会保険料を下げる改革案(たたき台)」を公表し、国民医療費の総額を年間で最低4兆円削減することによって、現役世代1人当たりの社会保険料負担を年間6万円引き下げる─とされていることを念頭に置くと明記した。

③は、社会保険にかかるいわゆる年収の壁による働き控えの解消に向け、「年収130万円の壁」について、手取りの減による働き控えの解消を図るため、被用者保険への移行を促し、壁を意識せず働くことができるよう、賃上げや就業時間の延長等を通じて労働者の収入を増加させる事業主を支援する措置を7年度中から実施。

従来、「年収106万円の壁」への対応として実施しているキャリアアップ助成金による措置を拡充することとし、その際、中小・小規模事業者への支援強化や使い勝手のさらなる向上等を行うとした。

この措置は、労働保険特別会計で臨時に行う時限的措置とし、第3号被保険者制度のあり方を含めた「年収130万円の壁」に関する制度的な対応のあり方についてさらに検討を進める方針を示した。

党首会談後に会見した石破首相は、「社会保障改革による国民負担の軽減を実現するため、3党の協議体を設置して7年末までの予算編成過程で論点の十分な検討を行い、早期に実現が可能なものを8年度から実行に移す」と言及。

党派を超えた政策協議は大変に意義のあることとの考えを示したうえで、政府としても自民、公明、日本維新の会の3党と一緒になり、今回の合意事項の実現に向け最大限努力を尽くしていくとした。

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