健保ニュース 2025年2月下旬号

令和6年度上期の概算医療費
伸び率は前年同期比で1％増
被用者保険本人は2.5％増

厚生労働省はこのほど、「最近の医療費の動向（メディアス）」令和6年度9月号を公表した。6年4～9月の6年度上期概算医療費は23.7兆円で、前年同期と比較し1％上昇。前年同期比4％増だった5年度上期概算医療費から伸び率は鈍化した。制度別概算医療費をみると、被用者保険は本人が同2.5％増、家族が同2.1％減の全体で同0.5％増加する一方、国保は同3.1％減少。診療種類別概算医療費は外来の同1.1％減に対し、入院は同1.7％増に上昇した。

令和6年4月から9月の6年度上期概算医療費は23.7兆円で、前年同期と比較し1.0％増加した。休日数などの違いによる影響を補正すると、同1.1％増となる。

6年度上期概算医療費は、前年同期比4.0％増の23.5兆円だった5年4月～9月の5年度上期概算医療費から0.2兆円増加した。

6年度の概算医療費は、▽4月（前年同月比3.3％増）▽5月（同1.3％増）▽6月（同1.6％減）▽7月（同4.8％増）▽8月（同0.5％減）▽9月（同1.1％減）─で推移。

6年4～9月の6年度上期概算医療費をみると、制度別概算医療費は、被用者保険は本人が前年同期比2.5％増、家族が同2.1％減の全体で同0.5％増となり、本人の伸びが大きい。国保は加入者数の減少等を要因に同3.1％減少。後期高齢者は同3.7％増に上昇する一方、未就学者は同10.9％減と大きく低下した。

1人当たり医療費は同1.5％増で、▽被用者保険（同0.9％増）▽国保（同1.1％増）▽後期高齢者（同0.3％増）▽未就学者（同6.4％減）─。未就学者以外は増加した。被用者保険は、本人同1.5％増、家族同0.4％増で、本人の伸び率が高くなっている。

診療種類別概算医療費は、医科入院外の同1.1％減に対し、医科入院は同1.7％増に上昇。歯科は同3.2％増、調剤は同1.2％増、入院時食事療養等は同2.9％増、訪問看護療養は同20.5％増だった。

医科入院は1日当たり医療費が同1.7％増で受診延日数が同0.1％増、医科入院外は1日当たり医療費が同0.8％減で受診延日数が同0.3％減、歯科は1日当たり医療費が同2.3％増で受診延日数が同0.8％増、調剤は処方箋当たり医療費が同0.5％増で処方箋枚数が同0.7％増、訪問看護は実日数当たり医療費が同2.3％増で実日数が同17.8％増。医科入院外を除き、いずれも増加した。

医療機関種類別概算医療費は、▽医科病院（同1.3％増）▽医科診療所（同1.8％減）▽歯科病院（同5.8％増）▽歯科診療所（同3.0％増）▽保険薬局（同1.2％増）▽訪問看護ステーション（同20.5％増）─で、医科診療所以外は増加。歯科病院、訪問看護ステーションで伸び率が5％を超えている。

医科病院のうち、大学病院は同4.0％増、公的病院は同1.2％増、法人病院は同0.8％増、個人病院は同15.7％減。個人病院のみ減少した。

診療科別医科診療所の医療費は、▽皮膚科（同3.6％増）▽整形外科（同3.2％増）▽眼科（同2.7％増）▽産婦人科（同1.4％増）▽その他（同0.7％増）▽耳鼻咽喉科（同2.7％減）▽内科（同2.9％減）▽外科（同4.3％減）▽小児科（同20.6％減）─で、小児科は2割減の伸び率となった。