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健保ニュース 2025年2月下旬号

7年度予算への「建議」反映状況
財政審 毎年薬価改定の実施など評価

財務省の財政制度等審議会(十倉雅和会長)財政制度分科会は13日、会合を開き、令和7年度予算等をテーマに議論した。

7年度予算は、「骨太方針2024」等で示されている予算編成の考え方(いわゆる「歳出の目安」)に沿って、経済・物価動向に配慮しつつ、これまでの歳出改革努力を継続するなかで、重要な政策に重点化した。

歳出分野のうち、社会保障関係費は38.3兆円程度で、経済・物価動向等に適切に配慮しつつ、実質的な伸びを高齢化による増加分におさめるとの方針に沿った姿を実現。薬価改定や高額療養費制度見直しなどの全世代型社会保障改革といった重要課題に対応した。

財政審が昨年11月29日に取りまとめた「令和7年度予算の編成等に関する建議」は、社会保障について、「全世代型社会保障の構築に向けた改革工程について、出来るものから着実に実現し、医療・介護の持続性を確保しつつ、現役世代の負担を最大限抑制する」と明記。

そのうえで、医療は、①既収載品の改定ルールの適用を含む、毎年薬価改定の着実な実施②診療報酬上のディスインセンティブ措置等を組み合わせた実効性のある医師偏在対策③保険給付範囲の在り方のさらなる見直しなど、制度の持続可能性を確保していくためのさらなる改革─などを提言した。

これに対する7年度予算等への反映状況について、財務省は、「改革工程に掲げられた改革項目のうち、高額療養費制度については、現役世代をはじめとする国民の保険料負担の軽減を図るとともに、セーフティネットとしての役割を今後も維持していくため、自己負担限度額を所得区分に応じて見直すとともに、所得区分の細分化を実施」と整理。

また、①は「改定の対象品目について、品目ごとの性格に応じ対象範囲を設定するとともに、新薬創出等加算の累積額は控除」②は「8年度診療報酬改定で外来医師過多区域における要請等を受けた診療所に必要な対応を促すための負の動機付けとなる診療報酬上の対応について検討」③は「費用対効果のさらなる活用、選定療養の仕組みを用いた長期収載品における保険給付の在り方の見直し、薬剤自己負担の見直しについて、引き続き検討」─とされたと評価した。

財政審の委員からは、▽財政健全化目標の明確化や達成を担保するための仕組みの構築、ペイアズユーゴー原則の導入などの検討を行っていくべき▽財政赤字の要因は社会保障など国民の受益であることがわかるよう、国民にわかりやすく伝える取り組みが必要だ▽高額療養費制度について、高齢化が進展していくなか、受診時定額負担など保険適用外の医療制度の在り方を真剣に議論していく必要がある─等の意見があった。

財政制度分科会終了後に記者会見した増田寛也分科会長代理は、ペイアズユーゴー原則について、「恒久的な政策には恒久財源で対応していくことが大原則だ」と言及し、「恒久財源にもとづく政策であるかを財政審でも確認していく必要がある」との見解を示した。

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