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健保ニュース 2025年2月中旬号

医療機関等への5年度指導・監査
「適時調査」で返還額増

厚生労働省は1月28日、保険医療機関等に対する令和5年度の指導・監査等と返還金の状況を公表した。

保険医療機関等から返還を求めた金額は合計で46億2千万円。診療報酬の施設基準が充足しているか実地で確認する「適時調査」により、入院基本料の施設基準を満たさない大規模病院による遡及返還が生じたことなどから、前年度に比べ26億5千万円増と返還金が大きく増加した。

厚労省は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の観点から実施を見合わせていた3年度分にかかる指導も合わせて実施したと報告する一方、「コロナ禍以前の元年度の水準に戻す目標にはまだ途上」との見解を示した。

指導・監査は、健康保険法にもとづいて都道府県や厚労省・地方厚生局が実施する。
 高い点数のまま改善しない医療機関などに面談を行う「個別指導」は医科525件、歯科512件、薬局427件の合計1464件で、前年度と比較し41件減少。「新規個別指導」は、医科2709件、歯科1517件、薬局2350件の合計6576件で、同166件減少した。

また、「適時調査」は医科2736件、歯科7件、薬局5件の合計2748件で、同445件増加。不正や著しい不当が疑われる場合の「監査」は、医科22件、歯科22件、薬局2件の合計46件で、同6件減少した。

架空請求や二重請求など不正等を理由に保険医療機関等の指定を取り消したのは、医科11件(指定取消5件、指定取消相当6件)、歯科9件(同3件、同6件)、薬局1件(指定取消相当)の合計21件で、同3件減少。取消処分の原因は、架空、付増、二重などの不正請求の区分ごとにみると多岐にわたっていた。

取消処分のうち大半を占める18件は、保険者などからの情報提供や医療費通知にもとづく被保険者等からの通報が端緒となっている。

保険医などの登録を取り消したのは、医師5人(登録取消)、歯科医師9人(登録取消8人、登録取消相当1人)─の合計14人で、前年度と同数。薬剤師は0人だった。

5年度中に返還金関係書類を保険者に通知した総額は同26億5千万円増の46億2千万円で、このうち、「指導」による返還が同3億4千万円減の13億5千万円、「適時調査」による返還が同23億9千万円増の32億円、「監査」による返還が同8千万円減の7千万円となった。

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