健保ニュース
健保ニュース 2025年2月中旬号
OTC類似薬の保険適用
石破首相 在り方を丁寧に検討
石破茂首相は1月27日、代表質疑を行った衆院本会議で、「OTC類似薬における保険給付の在り方を丁寧に検討していく」と言及した。前原誠司氏(日本維新の会)への答弁。
前原氏は、「社会保障が若者の過度な負担となっている」と問題提起し、受益と負担の明確化をセンターピンとする「社会保障制度における給付と負担の在り方の抜本的な改革」が必要と主張。
そのうえで、社会保険料の事業主負担分を給与明細等に記載することで、負担の全体像を国民に伝えるよう提案し、社会保障における受益と負担の明確化について、石破首相の考えを質した。
石破首相は、「社会保障負担の全体像を国民にわかりやすく示していくことは重要」と言及。一方、事業主負担分の記載を政府から求めることについては、「記載の有無は事業主が判断すること」と前置きしたうえで、「事業主の負担も含めて検討する必要がある」との考えを示した。
他方、前原氏は、応能負担の観点から、「資産額の差異により負担能力も異なる」と指摘し、金融資産を勘案した医療の窓口負担について、石破首相の考えを質した。
石破首相は、一昨年末に取りまとめられた「全世代型社会保障構築を目指す改革の道筋(改革工程)」を踏まえつつ、「医療や介護の負担に金融資産の保有状況を反映させる取り組みは、令和10年度までに実施を検討することとされている」と説明。
そのうえで、「現在、預貯金口座へのマイナンバーの付番促進に取り組んでおり、実務的課題について引き続き丁寧に検討を行っていく」との考えを示した。
さらに、前原氏は、OTC類似薬の保険適用について、「医療費適正化効果は年間で1兆円に上るとの試算がある」と指摘し、「除外する方向で議論すべき」と主張した。
石破首相は、「医療保険制度の効率化、適正化に取り組んでいくべきとの問題意識は共有している」と理解を示し、OTC類似薬における保険給付の在り方について、「患者に対する必要な保障が欠けることのないよう丁寧に検討を進めていく」との考えを示した。