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健保ニュース 2025年2月上旬号

第217回通常国会
石破首相施政方針 改革工程を確実に推進
制度改革で保険料負担抑制

第217回通常国会が1月24日に召集され、石破茂首相は同日に衆参両院の本会議で施政方針演説を行った。会期は6月22日までの150日間。

石破首相は、社会保障について、社会保険料は安心のための拠出であり、すべて必要な給付として再分配され、国民所得に対する割合はコロナ禍以前の水準に低下していると説明する一方、少子高齢化に対する将来不安があるため、社会保障制度への不安が解消しないと危惧した。

年齢にかかわらず、適切に支え合うことをめざす全世代型社会保障の理念に則り、改革工程に沿って確実に進めると強調。高額療養費制度の見直しなどにより、保険料負担の抑制につなげていく考えを表明した。

また、コロナ禍の検証を踏まえた万全な感染症対策の実施に加え、入院だけでなく、外来・在宅医療や介護との連携も含む新しい地域医療構想を想定し、地域での協議を促進すると言及。合わせて、医師偏在対策を総合的に推進するための法案を提出する方針を示した。

他方、年金の財政状況は、支え手の増加などにより前回の見直し時に比べ好転しているとの見解を示し、今後とも成長型経済の実現に努め、働き方に中立な制度とするなど、将来にわたる安心をより確実なものとしていくと述べた。

令和7年度予算や税制改正、さらには社会保障など各分野の施策について、多くの賛同が得られるよう説明を尽くし、各党の主張も拝聴しつつ、中長期的な政策の方針や制度の持続可能性について、給付や負担のあり方を含め、真摯に議論していく意向を示した。

石破首相は、生産年齢人口が今後20年で1500万人弱、2割以上が減少するなか、かつて人口増加期に作り上げられた経済社会システムを検証し、中長期的に信頼される持続可能なシステムへと転換していくことが求められていると指摘。

年齢や障害の有無にかかわらず希少な人材を大事にする社会づくり、国民1人ひとりの幸福実現を可能にする、人中心の国づくりを進め、すべての人が幸せを実感できる、人を財産として尊重する「人材尊重社会」を築いていく考えを示した。

「人材尊重社会」の経済政策で重視すべきは賃上げと強調し、「賃上げこそが成長戦略の要」との認識の下、物価上昇に負けない賃上げを起点として、国民所得と経済全体の生産性の向上を図っていくと言及。

「今日より明日はよくなる」と実感できる「楽しい日本」となるには、持続的な成長が必要と述べ、コストカット型経済から高付加価値創出型経済への移行、「賃上げと投資がけん引する成長型経済」を実現していく方針を示した。

「経済あっての財政」の考えの下、成長率の引き上げに重点を置いた政策運営を行うとともに、歳出・歳入両面の改革を継続し、引き続き財政健全化をめざすとした。

地方創生2.0「令和の日本列島改造」の具体化では、「若者や女性にも選ばれる地方」を柱に、暮らしやすいまちづくりとして、官民でAI・デジタル技術を活用し、地方の持続可能な生活インフラを作っていくことが重要と言及。

電子カルテ等の医療機関での共有、遠方の医療機関まで行かずともオンラインで適切な診療を受けられる体制の整備を進めるとした。

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