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健保ニュース 2025年新年号

令和7年度予算・大臣折衝合意
高額療養費 7年8月から3段階で見直し
薬価改定で薬剤費▲2466億円

加藤勝信財務相と福岡資麿厚生労働相は12月25日、令和7年度政府予算編成の重要事項について折衝した。

7年度の社会保障関係費については、経済・物価動向等に適切に配慮しつつ、7年度薬価改定等の様々な改革努力を積み重ねることにより、実質的な伸びを高齢化による増加分に抑制。社会保障の充実等と合わせ、6年度社会保障関係費と比較し5600億円増の38兆2800億円程度と見込んだ。

社会保障の充実は、前年度と同額の既存の措置や看護職員・介護職員の賃上げ等の経費を賄うため、公費2兆7986億円を措置する。

予算編成・制度改正による社会保険負担の増減効果を歳出改革による社会保険負担軽減額から医療介護の制度改正による追加的な社会保険負担額を控除して算定することとしている政府の「こども未来戦略」における実質的な社会保険負担軽減効果は、7年度で1700億円程度を見込んだ。

全世代型社会保障の実現に向けては、現役世代をはじめとする被保険者の保険料負担の軽減を図るとともに、セーフティネットとしての役割を今後も維持していくため、高額療養費制度を見直す。

自己負担限度額を所得区分に応じて引き上げるとともに、所得区分を13区分に細分化。合わせて、70歳以上の高齢者に設けられている外来にかかる自己負担限度額(外来特例)についても見直す。7年8月から9年8月にかけて、3段階で見直しを行う方針を示した。

7年8月の見直しでは、自己負担限度額の引上げ幅は、平均的な所得層「年収約370~770万円」は10%、平均的な収入を上回る所得区分の「年収約770~1160万円」は12.5%、「年収約1160万円~」は15%と設定。一方、平均的な収入を下回る所得区分の「~年収約370万円」は5%、「住民税非課税」は2.5%と引き上げ率を緩和する。

8年8月以降の所得区分の細分化後は、所得に応じて自己負担限度額をさらに引き上げる。

医療提供体制改革は、医師偏在対策について、支援の継続性の観点から安定的な財源の確保を図りつつ、8年度予算編成過程で検討。その際、8年度診療報酬改定で外来医師過多区域における要請等を受けた診療所に必要な対応を促すための負の動機付けとなる診療報酬上の対応とともに、その他の医師偏在対策の是正に資する実効性のある具体的な対応についてさらなる検討を深めるとした。

合わせて、重点医師偏在対策支援区域における医師への手当増額の支援については、当該事業と診療報酬を給付費のなかで一体的に捉える観点から、当該事業の財源について、給付費や保険料の増とならないようにする形で、診療報酬改定で一体的に確保する方針を示した。

このほか、12月20日の林芳正内閣官房長官、加藤財務相および福岡厚労相の3大臣で合意した7年度薬価改定により、薬剤費▲2466億円(国費▲648億円)が削減されるとした。

他方、診療報酬上の対応として、医療機関を取り巻く状況変化を踏まえ、入院時の食事基準額を1食当たり20円引き上げる。また、口腔機能指導や歯科技工士との連携にかかる加算や服薬指導にかかる加算について上乗せ加算を講じることを決めた。

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